先日、上京(!)した時に、千駄木の古書“ほうろう”によった。この古本屋さんに、たくさん置いてあるミニコミやマイナーなフライヤーを拾ってくるのも好きなのです。やたら集めて、帰りの電車の中で読んだり捨てたりします。こんな催しが載っていました。( ボブ・ディラン・サミット )
ボブ・ディラン・サミット~世界の友と、デイランを語り、歌う一夜
11月9日(祭)【朗読、音楽】出演;ロビン・ヒッチコック、スコット・マッコーイ、和久井光司&セルロイド・ヒーローズ、中川五郎、稀月真浩、菅野ヘッケル、萩原健太、湯浅学、中村とうよう、他/開場18:00 開演18:30/前売4500円 当日5000円(1ドリンク付)/会場;Daikanyama“晴れたら空に豆まいて”
なんだ、これは・・・・。そして、ネットで2枚予約してしまった。
雑誌やLP・CDにデイランを書いてきた人たちのオールスター・キャスト、まさにサミット=帝王さんたちが並んでいる。70年代終わりの、アングラ・ポエトリー・リーディングの集まりみたいです。
その昔、昼間は、ネクタイをしめて仕事をし、週末には道端で歌って店を出す、サンディ・ヒッピーと揶揄されようが、けっこう面白い時代だった。青っぽくデイランを語って歌うことは、決して“表”ではしなかった。私は、大阪にいたから“関西フォーク”の真っ只中。このイベントでいえば、中川五郎さんがそう。だから東京のように、新宿西口広場で、皆で会社の帰りにネクタイ姿で歌ったなんて全く知りません。
ボブ・デイランは、1966年からしばらく、姿を隠し、静かに林の中に家族と過ごす日々をおくります。そして、アメリカの伝統的なカントリーソング・スタイルで歌い始める。私もまた、プロテスト共鳴から“自然の中で過ごすこと”に傾いていきます。1970年に北海道に移り住んだ・・・なんて。もっとも3年で、東京・吉祥寺に移るのですが。
そのあたりから、デイラン好きであると書くことも、話すことも全くしなくなった。しかし、LPが出るたびに一番に買ってきた。その後も続くディラン好きを、わかりやすくひとつだけ自慢(?!)すれば、デイランの海賊盤(ブートレッグ)のコレクターです。コンサート隠し録音とか、ありとあらゆる音源が、海賊盤になって世に出ています。最近では、コンサートの翌日には、もう売られているらしい。60、70年代のほとんどすべての音源の海賊盤を持っています。国内外での海賊盤レコード探しはけっこう夢中になりました。
1978年2月の日本最初の武道館コンサート(初日)は、むろんカセット録音しました。初日の録音は海賊盤として世に出ていません。今ならCD―Rにすることは誰でもできます。
【おまけ】
*このイベント、代官山のライブハウスにでかけるつもりですが、チケット2枚確保していても、一緒につきあってくれる人がいない。ボブ・ディラン本物のコンサートなら、胸はってさそえるのだが。・・・・誰かいきませんか?
*このサミットに、片桐ユズルさんの名がない。片桐ユズルさんは、最初からディランの訳詞をされていた人だ、京都の精華大学の先生。この写真の雑誌は、表紙は違うが中身は同じ。1977年4月の初版と1978年ディラン初来日時の再版。この中で、片桐ユズルさんは、エッセイの初めの部分に“この上、ディランの詩についてなにをかけというのか?それは紙とインクのむだであり、その分だけパルプが消費される公害がふえる”と書いておられる。
*最近のCDには、中川五郎さんの訳詞が載っている。