「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

意図的なコミュニケーション (6)

2014年07月01日 21時38分37秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 遅らせ、 気をそらせましょう

 相手の感情が高ぶっているとき、 共感的な方法で 展開を遅らせることができれば、

 BPDの人が衝動的になるのを 抑えられるかもしれません。

 気をそらせるのは 特に有効です。

・ 「あなたに 精一杯の関心を注ぎたいの。 でも 今は待ってくれないかしら。

  (具体的な時間を提案します。 数分でも効果的です)

  そのあとなら、 あなたの話に 耳を傾けられるわ」

・ 「このことについては、 私も考える必要があるわ。

  だから今までのことを 全てよく考えたいの」

・ 「君が 今すぐ答を求めてるのは 分かるよ。

  でも僕には 考える時間が必要なんだ」

・ (本人が 見捨てられた気持ちにならないよう、

  二人ですることを提案してください)

  「あとで話をしよう。 まずは散歩に行きましょうよ」 など。

・ 「座って話をしないか。 その前に コーヒーを入れさせてもらっていいかな」

・ 「いま思い出したわ。 携帯の電源を切っておかなくちゃ/

  洗濯機に あなたのシャツを入れなくちゃ」

・ 「ちょっと待って。 その間にトイレに行ってくるから」

  (緊迫感を表してください。

  そうすればBPDの人は 無視されたように感じません)

・ (何も思い付かない場合は)

  「ちょっと待ってね」

  (それからどこかへ行って、 戻ってから言うべきことを考えてください)

o DEAR

 描写する (describe), 表現する (express),

 主張する  (assert), 強化する (reinforce) の頭文字です。

 後述します。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕