「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

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2013年12月23日 21時21分08秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○ 重要な原則

 BPDを持つ人を助けるには、 皆さん自身を 最初に助けなければなりません。

 それは 皆さんの直感の逆かもしれません。

 人は問題を避けるために、 BPDの人を喜ばせることに 何年も費やしてしまいます。

 それが功を奏しても、 代償は高くつきます。

 家族は自尊心を失い、 うつ病や身体の疾患に苦しみます。

 彼らは 自分自身を大切にする能力を 失ってしまっているのかもしれません。

 長期的に 健全な関係を持てるかどうかは、 皆さんが自分の時間を過ごしたり、

 愛情をもって境界を設けたり、 BPDの人から離れて 自分の生活を築いたり、

 皆さん自身の要求を 大切にできるかどうかにかかっているのです。

 BPDの人が変わらなくても、 皆さんの生活を 改善することができます。

 練習が必要ですが、 皆さん自分の運命を コントロールすることができるのです。

 現在、 BPDの人が支配力を持ち、

 嫌なことをさせていると 思っているかもしれません。

 しかし、 自分自身の反応をコントロールし、

 自分自身に対して 誠実な決断を下すとき、 力関係は変わるのです。

○ 数で見るBPD

 表向きは アメリカ人の2%がBPDですが、 最新の調査では もっと高いようです。

 BPDは 統合失調症より一般的であり、 拒食症の2倍も起きています。

 うつ病より多く、 入院患者の20%がBPDです。

 自殺率は 一般人口の400倍です。

 自殺する若者の3分の1が、 BPDの特徴を有しています。

 BPDは他の病気と合併し、 ほとんどがうつ病も持っています。

 臨床家のほとんどは、 BPD治療の訓練や経験をしていません。

 BPDの人は自傷行為のために 身体の老化が進み、

 30才でも60才と同じ 医学的プロフィールを持っています。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳:遊佐安一郎〉 より〕