「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

サービス付き 高齢者住宅

2011年02月09日 21時16分43秒 | 介護帳
 
(前の記事からの続き)

 地域での生活を続けるには、 サービスの充実と共に、 住宅の整備が欠かせません。

 高齢者専用の賃貸住宅を、 略して 「高専賃 (こうせんちん)」 といいます。

 来年度からは 「サービス付き高齢者住宅」 制度が 導入される予定です。

 そのモデル事業の高専賃では、

 4階建ての高齢者向け住宅に、 45人が暮らしています。

 訪問介護や小規模多機能サービス 〔*注〕 の 事業所が併設され、

 居住しながら ヘルパーなどのサービスを受けられます。

 さらに、 認知症対応のグループホームも併設し、

 認知症が重くなった場合、 移り住むこともできます。

 食事は食堂で 親しい入居者と 一緒に食べ、 栄養バランスも取れています。

 「サービス付き高齢者住宅」 制度は、

 見守りサービスが付き、 施設よりも低コストで 安心感が得られます。

 介護サービスを付けることは 必須ではなく、

 訪問入浴、 ショートステイ他、 外部の介護サービスを 利用することもできます。

 24時間対応の訪問介護が 提供されれば、

 かなり重度の人でも 暮らせるようになるでしょう。

 ただし、 充分なサービスを提供できるのか、 重度の認知症への 対応が可能かなど、

 疑問点も残っています。

 重度化したら転居、 では意味がありません。

 住宅に 施設並みのサービスを組み合わせ、

 自己負担が 大幅に増えない仕組みが 求められます。

〔 読売新聞より 〕
 
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24時間型  訪問介護

2011年02月08日 21時45分10秒 | 介護帳
 
〔 読売新聞より 〕

 団塊世代が高齢化を迎え、

 介護が必要になっても 住み続けられる地域づくりが 課題になっています。

 24時間型の訪問介護サービスや、 新しい高齢者住宅制度が 導入される予定です。

 従来の訪問介護は、 30分~1時間の訪問が 1日2回程度で、

 あとは家族が介護するか、 一人で過ごすしかありません。

 「短時間訪問介護」 のモデル事業では、

 1回15分で、 1日に6回訪問しています。

 1回の利用料は180円。

 短時間訪問を繰り返せば、 濡れたオムツで長時間 我慢しなくても済みますし、

 トイレでの排泄や、 服薬管理, 水分補給もしっかり行なえ、

 体調の変化にも気付きやすくなります。

 家族の負担も 大幅に軽減するでしょう。

 2012年度に導入される 24時間対応の定期巡回・ 随時対応型訪問介護は、

 短時間の定期巡回に加え、 利用者の呼び出しに応じて

 ヘルパーや看護師を派遣する 随時訪問も行なわれます。

 それによって 安心感が生まれることが大切です。

 しかし、 夜間も介護職を確保できるか、 料金は高くならないかなど、

 課題は多くあります。

 見守りが必要な 認知症の人など、 短時間介護が向かない人もいます。

 それには 従来の介護サービスも 並行して充実させるべきです。

 また、 現行制度では 介護と看護が 別の事業所から提供されますが、

 12年度からは一体化する予定です。

 医療が必要になっても、

 自宅やグループホームで 最期まで暮らせる 体制づくりが求められます。

(次の記事に続く)
 
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障害者  実刑回避求める

2011年02月06日 21時43分50秒 | 罪,裁き,償い
 
〔 読売新聞より 〕

 知的障害や発達障害などを持つ 被告の刑事裁判で、 弁護人と福祉関係者が連携し、

 社会での具体的な 支援計画を示して、

 実刑の回避を求める 取り組みが進んでいるそうです。

 ある20代の男性が、 女性をカッターナイフで脅し、

 財布を出させるなどして 強盗傷害罪で起訴されました。

 職場でストレスが たまっていた上に、 厳しく叱られたことが きっかけと見られ、

 犯行時は 強いショックが原因で 意識障害が起こる 解離性障害の状態でした。

 兵庫県の 相談支援センターの社会福祉士は、 男性や両親に 何度も面接し、

 親族の会社で 無理せず働かせ、 相談支援センターが相談に乗るという

 「支援計画」 を 法廷に提出しました。

 懲役7年の求刑に対し、 判決は懲役3年、 保護観察付き執行猶予5年でした。

 男性は今、 落ち着いた状態で働いています。

 懲役刑で社会から離れるより、 社会でその人に合った 適切な支援をするほうが、

 更生に効果があります。

 障害が事件を 引き起こすわけではなく、

 障害を踏まえたケアをすれば 再犯も防げます。

 長崎の社会福祉法人では、 知的障害や発達障害を持つ 被告について、

 自立訓練施設での受け入れを前提に、 執行猶予を求める 取り組みを始めました。

 弁護士や精神科医らと作る  「判定委員会」 が、

 施設で更生可能と判断すれば、 法廷に意見書を提出するのです。

 障害がある人は、 規則的な刑務所生活に 順応しやすい面もありますが、

 社会に戻る時に戸惑い、 更生に繋がらない場合もあります。

 支援計画は、 彼らにふさわしい刑を 考える助けになり、

 裁判官や検察官も 障害への理解を深める 必要があります。
 
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転倒してしまったAさん (2)

2011年02月05日 20時51分10秒 | 介護帳
 
(前の記事からの続き)

 Aさんは今 どうしているでしょう? 

 でも介護を始めて 間もなかった僕は、 Aさんには 大切なことを教わりました。

 暴力的になるのは、 例えば 怯えた動物が 相手を攻撃するように 〔*注〕、

 Aさん自身が 一番不安で、 どうしたらいいか 分からないのだということ。

 そのAさんの気持ちを 理解していれば、

 Aさんを恐がったり 厄介者扱いするのではなく、

 こちらの心構えや態度も 自ずから変わってくるということ。

 「不安なんですよね」 「大丈夫ですよ」 「気持ちが分からなくてすみません」

 などの言葉が 出てくると思います。

 そんな 介護の基本の姿勢を 教えてくれたAさんでした。

〔*注 : 「風の谷のナウシカ」 で、

 キツネリスのテトが ナウシカと初めて会った シーンです。

 キツネリスは 肩に乗るような 小型のかわいい動物ですが、

 性格は凶暴で 鋭い歯を持っています。

 ナウシカが テトを優しくあやしても、 テトはナウシカを威嚇し、

 指に噛みつきます。

 一瞬 顔をしかめるナウシカですが、

 静かに  「大丈夫、恐くない」 「恐くない」 と言って、 テトをなだめるのです。

 やがて テトは気を鎮め、 逆立った体中の毛が ふんわりと治まりました。

 Aさんの場合も 、それと同じことだと 思うのですね。

 暴力的な行為を受けても、

 それは不安な気持ちから 出ているのだということを心得ていれば、

 受容的な対応が できると思うのです。
 
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転倒してしまったAさん (1)

2011年02月04日 19時26分11秒 | 介護帳

 Aさん (男性) は 意味のある言葉を 発することができず、

 コミュニケーションを取るのが とても難しい人です。

〔参考記事 : http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/60766415.html 〕

 普段 車椅子ですが、 支えがあれば 立って少し歩くことはできます。

 でも  “帰りたい願望” が起きて 不穏になると、

 スタッフを叩いたり つねったり、 対応が非常に困難になります。

 言いたいことが伝わらない苛立ちや、 不安になると 周りが敵に見えたりすることが、

 暴力的な行為になるのでしょう。

 僕たちも初めは 本当に苦労しましたが、 わずかずつ接し方を学んで、

 Aさんが不穏になることが 少なくなっていました。

 ところが昨年、 僕以外のスタッフが 全員入れ替わってしまい、

 新しいスタッフになって、 しばらく経ったころのことです。

 僕が休みで、 慣れない若い女性スタッフ 二人だけだった日、

 Aさんが不穏になって、 立ち上がろうとしたり、 殴ってきたり、

 スタッフの制止にも拘らず、 手が付けられなくなってしまったそうです。

 そして、 ついにAさんは転倒し、 頭に傷を作ってしまいました。

 Aさんの奥さんは 我々を信頼してくれているのですが、

 娘さんがこの一件で  (事後の報告に 不手際があったこともあり)

 不信感を抱かれてしまいました。

 それ以後、 興奮を抑える薬を 飲むことになりました。

 今まではずっと うちの施設では 飲まないようにしてきたものです。

 この薬は 抑制的なものなのか、

 あるいは 飲むことによって 本人も気持ちが落ち着いて 楽になるものなのか、

 恐らく 量によるのでしょうが、 一応 後者なのではないかと思います。

 その結果、 Aさんが不穏になることは あまりなくなりましたが、

 娘さんの不信は拭えず、 週2回だった利用が 週1回になり、

 そしてとうとう、 別の施設に 移っていってしまいました。

 僕らが当初から苦心して 信頼を築いてきたと思っていたのに、

 たった一回の出来事で それを失ってしまったのだとしたら、 誠に残念でなりません。

(次の記事に続く)
 
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極寒のゴキブリ 現る

2011年02月03日 18時48分20秒 | Weblog
 
 今年の冬は例年になく 寒さが厳しいのに、

 何と先日 2回もゴキブリが出ました。 ( ・・;)

 初めは1月で成虫、 次は2月に入ってからで 幼虫でした。

 去年の夏は いつまでも暑かったせいもあり、

 確か10月くらいまで ゴキブリの姿を見て、 それも異例のことでしたが、

 この極寒の真冬になって ゴキが出るとは 正に異常です。

 冷蔵庫の下とか 温かい所に潜んでいて、

 三角コーナーのゴミでも 漁っていたのでしょうか? 

 動きは全く鈍くて、 ゴキブリ用殺虫剤を シュッとかけただけで くたばりましたが。

 どうも近年、 色々なことが おかしくなってきているのでしょうか? 

 (昨夏は暑すぎたのか、

 夏の間は 例年よりゴキブリの数が 少なかったと思います。)

 ただ、 今ネットで見てみたら、

 クロゴキブリ (一般的なゴキブリ) は 比較的寒さに強く、

 冬は物陰に隠れて 越冬するそうです。

 でもやはり、 それが表に出てくるのは 異常です。

 昨日の気象庁の発表では、 この1月は25年ぶりの 全国的な低温だったそうです。

 また日本海側では 新潟の4メートルをはじめ、

 各所で過去最高の 積雪量を更新しています。

 一方 降水量は、 多くの箇所で 最小値を記録し、 0ミリの所も沢山ありました。

 去年は 年末でもまだ 黄葉を付けている銀杏があったし、

 どうも変調が見られるような 気がしてなりません。
 
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頑なに心を閉ざしていた Bさん (2)

2011年02月02日 11時59分45秒 | 介護帳
 
(前の記事からの続き)

 先日は 他の利用者さんがおらず Bさんだけだったので、

 いつも他の利用者さんが 座っているテーブルに 慣れてもらおうと、

 その席に着いてもらいました。

 そして昼食のとき、 テーブルの4つの席のうち、

 斜め向かいの席に まず僕が座りました。

 もう一人のスタッフが、 Bさんの横か正面か、 どちらに座っていいか 尋ねると、

 Bさんは 横の席を指差しました。

 そういう意思表示をするのも 初めてのことです。

 さらに、 たまたま 隣のグループホームから 来ていたスタッフが、

 Bさんの正面に座ったのですが、 見知らぬスタッフにも拘らず、

 Bさんは拒まなかったのです。

 (そのスタッフは、 Bさんの前に座るのが 難しいということを知らず、

 ただ席が空いていたから 座っただけでした。)

 何とひとつのテーブルを Bさんと皆で囲むということが 実現したのです。

 そこへ来た事務の人が、  「異様な光景だ」 と驚いていました。

 Bさんの心の垣根が やっと開かれてきたのです。

 ケアの仕事の醍醐味です。

 Bさんだって、 やはり 人と一緒にいたいのです。

 居心地のいい方が いいでしょう。

 最初から人を拒否する 人だったはずがありません。

 こちらが温かく 受け入れていれば、 人として 心を許してくれるのでしょう。

 まだまだ悪口は相変わらずですし、 声かけに答えてくれないことが 多いですが、

 だんだんコミュニケーションも 取れていけたらと思います。

 その次の段階は 他の利用者さんとの関わりです。

 他の利用者さんも 今はBさんを恐がったり、 敬遠しています。

 その間に入って どのように取りもったり、 距離を保ったりしていくか、

 お互い傷つかないように 距離を縮めていくか、 模索が始まると思います。
 
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頑なに心を閉ざしていた Bさん (1)

2011年02月01日 21時10分55秒 | 介護帳
 
 Bさん (女性) は人を拒み、 暴言, 暴力のある人です。

 (車椅子で、 自分で立つことはできません。)

〔 参考記事 : http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/60843403.html 〕

 近くに人がいると 悪態をついたり、 お茶をひっくり返したり、

 食事のときは 一人でないと 箸を付けません。

 そのため 他の利用者さんと離れた 隅のテーブルで、 一人座ってもらっています。

 スタッフは、 見ないふりをして 常にBさんを見守っています。

 叩かれてもつねられても、 毎日のように傷を作りながら、

 挨拶代わりの暴言に スタッフは笑顔で接してきました。

 (衣服の着脱や 入浴介助の時には Aさんの手を押さえますし、

 あまり暴力が酷いときは きちんと忠言します。)

 うちのデイサービスに 来るようになって約半年、

 笑顔や 穏やかな表情が見られたり、 ようやく徐々に 変化が見えてきました。

 他の人との距離を 近づけようと、 いつもよりひとつ 皆に近い席に

 座ってもらうようにしましたが、 Bさんは抵抗しませんでした。

 それだけでも 大きな進歩です。

 ある日の昼食、 スタッフが Bさんの隣の席に 座っていいか尋ねると、

 何とBさんは頷かれました。

 初めてのことで 感銘した次第です。

 さらに その次のときは、

 Bさんの正面の席に スタッフが座ることを 受け入れてくれました。

 口では 「ばかばばあ」 など 憎まれ口を連発していますが、

 我々に少しずつ 心を許してくれはじめたようで、 こういうことが一番嬉しいですね。

 ご家族の話でも、 Bさんは ここのデイサービスに来ることを 拒まないそうです。

 Bさんの 居場所になっているということで、 とてもありがたいことです。

(次の記事に続く)
 
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