「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

意図的なコミュニケーション (2)

2014年06月26日 20時23分30秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 共感

 共感は同情とは異なります。

 例えば 同情は、 事故現場に車で通りかかったとき、

 壊れた車のドライバーに  「頑張って」 と声をかけ、

 ドライブを続ける人に似ています。

 共感は、 当人の身になって、 相手の立場に 自分自身を置くことです。

 例えば、 車から降り、 事故にあったドライバーの 肩を抱き、

 「こんなことになって大変だね」 と 言ってあげる人です。

o 積極的傾聴

 私たちは大抵、 話を聞いているとき、 他の考えが 頭を出たり入ったりします。

 どう返答しようかと 考えることが多いのです。

 過去の争いに話が触れると、 言い返せる機会を伺います。

 私たちは 同意できないことを取り除き、

 自分の考えに合うものに 焦点を合わせます。

 言われていることの 微妙なニュアンスを 聞き逃してしまいます。

 これが 欲求不満や誤解を 引き起こしてしまうのです。

 積極的傾聴は、

 「私は全神経を集中させて 耳を傾けます」  というメッセージを伝えます。

 判断, 意見は 一時保留しましょう。

 相手の言葉, 声の調子, 表情, 身振り手振り, 感じていることに

 焦点を合わせてください。

 同意できない場合でも、 顔をしかめたくなる衝動を 抑えてください。

 BPDの人の、 表に出ている感情だけでなく、

 内奥にある感情にも 目を向けてください。

 途中で口をはさむのは 厳禁です。

 身の安全が問題の場合や、 混乱して説明が必要でない限り、 話をしないでください。

 アドバイス, 慰め, 励ましは、 相手の話の 邪魔をするだけではありません。

 共感的に認めるのに欠かせないこと --

 相手の言葉が 本人にとって何を意味するのか -- を、 見失ってしまいます。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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