「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

コミュニケーションの準備 (2)

2014年06月23日 20時29分12秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 激怒

 最も厄介な問題のひとつは、 破壊的な激怒です。

 不適切な怒りが、 突拍子もなく、 頻繁に現れると、 恐ろしいものです。

 BPDの人の怒りを 1から10までのスケールで 評価してください。

 1から5までは、 落ち着けることができるでしょう。

 6以上で、 治療を受けていないと、 鎮めることができないかもしれません。

 6以上の場合は、 彼らの思考と感情は歪んでおり、 言うことは筋が通りません。

 彼らが何を言っても、 耳を傾けないでください。

 彼らは 状況を理解することも、 結果を考えることも不可能なのです。

 やり取りを 一時的に中断させてください。

 怒りが続けば、 その場を立ち去ってください。

 議論したり、 捨てぜりふを言うのはやめましょう。

 以下の言葉のいくつかを 繰り返してください。

 「あとで話すことにしよう。 落ち着いたときにね。

 僕は君の話に 耳を傾けたいんだ。

 でも今そうするのは、 あまりに大変なんだ」

 「気を静めるために、 少し時間をください。

 あとでなら話ができるから」

 自分自身に 以下のように言ってください。

 「このことを個人的に受け止めない。

 これは ボーダー・ライオンが話しているのだから」

 「ここに留まって言い争ったら、 事態はますます エスカレートしてしまう。

 僕も、 二人の関係も傷ついてしまう」

 「本人には、 今すべてを理解できないけれど、 私にはできる。

 今は楽ではないとしても、 続ければきっと 楽にできるようになる」

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕