「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPDの人の コミュニケーションにおける欠陥 (2)

2014年06月17日 20時56分15秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

○ 恐れが怒りとし解釈される

 BPDの人の中には (主に高機能のBPD)、

 恐れ (特に見捨てられる恐れ) を、 怖くて認められない人がいます。

 恐れは、 批難と過去の失敗を呼び起こし、

 さらに 羞恥心とスプリッティングを引き起します。

 怒りのほうが、 ずっと楽な逃げ道なのです。

○ 「何でもないこと」 をめぐる喧嘩

 non-BPDは、 些細なことで責め立てられるように感じ、

 何でもないと思われることで 全面的な言い争いが生じかねません。

 本当の問題は もっと深いところにあります。

 スプリッティング, 羞恥心, 承認されず価値がないと感じること,

 アイデンティティの欠如です。

 例えば、 コントロールの問題は、

 BPDの人が 自分をコントロールできないところから起きます。

 彼らは 自分が無力だと感じる変わりに、

 他者に対して 無意識に力を主張するのです。

 もうひとつの問題は、 羞恥心と、 アイデンティティの欠如の組み合わせです。

 BPDの人は 自分に良いイメージを持つことができず、

 他人が彼らに持っている (と彼らが考える)

 「全て悪い」 のイメージに 対抗できないのです。

 彼らは、 意見の違いを 個人的な侮辱として経験します。

 多くの争いの原因は、 BPDの人の感情が 事実が作ってしまうということです。

 彼らの感情が 事実の解釈に影響を与え、

 認知の歪みは 現実とかけ離れた推測をしてしまうのです。

 皆さんは はれものに触る日々のなかで、 ボロボロになっているかもしれません。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕