「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

救助欲求 (1)

2014年06月08日 22時17分41秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 BPDの人を助ける人は、 前向きで、

 神から見捨てられたような相手を 失望させない、 唯一の存在になろうとします。

 少しの間だけ 改善させることができても、

 結局は惨めな状態に戻って、 道連れになってしまいます。

 救助する人たちというのは、 BPDの人を愛していて、

 不快で不当だと思っても、 より多くの 「救い」 の手を差しのべます。

 罪悪感, 恐れ, 無力感に支配されます。

 努力が実らないことに気付かず、 新しい方法を試みることもないのです。

《救助は なぜ効果的ではないのでしょう》

 救助する人は、 BPDの人の尻拭いをすることによって、

 無責任な行動を 認可/奨励してしまいます。

 BPDの人ができることを 代わりにやってあげることによって、

 彼らの依存を 認可/奨励しているのです。

《救助者の人物像》

 彼らは通常 思いやりがあって、 人の苦しみを和らげたいという 親切な人です。

 BPDの人は 好きな人を偶像視するので、

 救助者は 自分だけが愛されていることを 嬉しく思います。

 以下は 彼らに共通する特徴です。

・ 必要とされ、 犠牲になることで、 自尊心を手に入れる。

・ 人の問題を解決しようとする。

・ 「よい人」 でいることに 大変な価値を置き、 常に承認を求める。

・ 自尊心が低く、 自分の考えや要求を疑う。

・ 人の期待が妥当かどうかを考えず、 それに応えようと努力する。

・ 人の気持ちに 必要以上に責任を感じる。

・ 自分に非がないことでも 批判を受け止め、 衝突を避けるために何でもする。

・ 直感を頼りに 人間関係に飛び込む。

・ 純粋に頑張れば 人から愛されると信じている。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕