「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

パワーツール3: 理解されるように伝える

2014年06月16日 21時14分08秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
● BPDの人の コミュニケーションにおける欠陥 (1)

 コミュニケーションには、 次のようなスキルがあります。

・ 自分の思考と感情をチェックする

・ 他人の思考と感情を 正しく判断する

・ 相手の話に耳を傾ける

・ 相手に配慮し、 自分の当面の願望は脇にのける

・ 状況を総合的に捉え、 相手を好意的に解釈する

・ 人が自分と異なる意見でも、 脅かされていると感じない

・ 感情を発散させたいときでも、 冷静になる

 BPDの人は これらの多くがかけています。

 入ってくるメッセージと 出ていくメッセージの 両方が歪められるのです。

 単語や文章が、 順番が逆になったり、 裏返しになったり、

 文脈が失われたように聞こえます。

 BPDの人は、 攻撃性がなくても、

 未熟なコミュニケーション能力のために、 絆を築けないことがあります。

○ スプリッティング - 羞恥心 - 恐れの螺旋(らせん)

 BPDの人の情報処理は、 皆さんとは異なっています。

 脅威が迫ると、 激しい感情が 脳をハイジャックしてしまいます。

 羞恥心は、 何でもないところに ネガティブな考えをでっちあげ、

 敵意として曲解します。

 見捨てられ不安が 急激に迫ってきます。

 そして、 衝動的な攻撃性が 内外に爪を立てるのです。

 スプリッティング - 羞恥心 - 恐れの螺旋は、

 何の前触れもなく生じ、 皆さんを混乱の中に放り込んでしまいます。

 しかし 訓練と経験を積めば、 それが近づいてくるのを察知できるでしょう。

(次の記事に続く)

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 
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