● BPDの人の コミュニケーションにおける欠陥 (1)
コミュニケーションには、 次のようなスキルがあります。
・ 自分の思考と感情をチェックする
・ 他人の思考と感情を 正しく判断する
・ 相手の話に耳を傾ける
・ 相手に配慮し、 自分の当面の願望は脇にのける
・ 状況を総合的に捉え、 相手を好意的に解釈する
・ 人が自分と異なる意見でも、 脅かされていると感じない
・ 感情を発散させたいときでも、 冷静になる
BPDの人は これらの多くがかけています。
入ってくるメッセージと 出ていくメッセージの 両方が歪められるのです。
単語や文章が、 順番が逆になったり、 裏返しになったり、
文脈が失われたように聞こえます。
BPDの人は、 攻撃性がなくても、
未熟なコミュニケーション能力のために、 絆を築けないことがあります。
○ スプリッティング - 羞恥心 - 恐れの螺旋(らせん)
BPDの人の情報処理は、 皆さんとは異なっています。
脅威が迫ると、 激しい感情が 脳をハイジャックしてしまいます。
羞恥心は、 何でもないところに ネガティブな考えをでっちあげ、
敵意として曲解します。
見捨てられ不安が 急激に迫ってきます。
そして、 衝動的な攻撃性が 内外に爪を立てるのです。
スプリッティング - 羞恥心 - 恐れの螺旋は、
何の前触れもなく生じ、 皆さんを混乱の中に放り込んでしまいます。
しかし 訓練と経験を積めば、 それが近づいてくるのを察知できるでしょう。
(次の記事に続く)
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕