90年代後半から2000年代前半にかけて、
光市母子殺害事件や酒鬼薔薇事件など、 少年による凶悪犯罪が 幾つか起きました。
それに応じて、 少年犯罪に対する 厳罰化の流れが生まれました。
「少年犯罪被害当事者の会」 の武るり子代表 (57) は、
「厳罰化ではなく、 適正化」 だと言います。
「隠され続けた 少年犯罪の問題を、
遺族だけでなく社会全体が 考えていかなければいけない」
一方、 永山則夫元死刑囚の弁護人を務めた 大谷恭子弁護士は、 こう語ります。
「少年犯罪は社会の鏡。
少年をしっかり育てられなかった社会が 責任の一端を負うべきなのに、
個人の責任として切り捨ててしまっている」
名古屋アベック殺害事件の主犯格の少年は、 二審で無期懲役となり、
今は遺族と 手紙のやり取りをしています。
担当の多田元弁護士は述べます。
「少年は立ち直れる。
更生を見守り、 償いの気持ちを求める 遺族もいる」
「重大事件を起こした少年ほど、 虐待などの問題を抱えているのに、
立ち直りを支援する情熱を 家裁が失っている」
本村さんは 記者会見で述べていました。
「少年に やり直すチャンスを与えるのか、 命をもって償わせるのか。
どちらが正義か悩んだ。
答はないと思う。
判決をきっかけに、 この国が死刑を存置していることを、
いま一度 みなさんに考えてもらいたい」
〔朝日新聞より〕
(次の記事に続く)