「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子のお母さんの最期

2011年12月21日 20時53分21秒 | 心子、もろもろ
 
 心子のお母さんの最期のことが 何か分かるかと、 実家の方へ行ってみました。

 ここへは、 心子が旅立った直後、

 沢ちゃんに案内されて一度だけ、 家の外まで行ったきりでした。

 きのうの沢ちゃんとの電話で、 立て替えの話を聞いていましたが、

 全く新しい家になっており、 周囲の様子も 記憶とは全く異なっていました。

(大きかった敷地内にマンション, 向かいにはグループホームもできていました。)

 隣の家のインターホンを押して 事情を話すと、

 すぐに出てきてくれて、 色々お話ししてくれました。

 やはりお母さんは 入院したまま退院せず、 病院で亡くなったということです。

 葬儀は ごく近親者だけで行なわれ、

 隣の人は 半月後に連絡を受けて、 お線香を上げさせてもらったそうです。

 隣県に住む お母さんのお姉さんが、

 今も時々この家に来て 空気を入れ換えたりしているとのこと。

 すぐ近くにあるという 本家を教えてくれたので、 そちらも尋ねました。

 お母さんのお義姉さんが やはりすぐに出てきて、 親切に話を聞かせてくれました。

 お母さんから 僕のことも聞いていたそうです。

 お母さんは元々 透析をしていて、 心臓も悪かったのですが、

 お義姉さんが食事を持って行ったり、 ヘルパーに来てもらったりしていました。

 今年2月に 下血して入院し、 お兄さん夫婦が面倒を見ていたとのこと。

 足も良くなく、 肺に腫瘍も見つかり、 最期は 脳梗塞だったということです。

 全身の状態が 悪くなっていったのでしょう。

 お母さん本人も周囲も 自然な死を望み、

 肺の手術や 無駄な延命治療はしませんでした。

 意識ははっきりしていて コミュニケーションも取れ、

 最期は穏やかに、 全く苦しむこともなく逝ったと……。

 それを聞いて、 胸をなで下ろした次第です。

 今日はもう一度 お墓参りにも行ってきました。

 これでやっと 心子の家族はそろって、 天国で顔を合わせることができました。

 今生では 確執や苛烈なことが多くありましたが、

 今は平穏に、 家族の愛情に包まれていることでしょう。

 心子たちの笑顔が見えます。