「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

複数機関で協力、 監視 -- 明日の課題 (7)

2011年01月23日 20時06分07秒 | 罪,裁き,償い
 
 イギリスでは、 性犯罪などの前歴者の 再犯防止について協議する、

 「MAPPA (マッパ)」 という制度があります。

 児童への強制わいせつで 服役する男性 (43) の 仮釈放を前に、

 マッパの会議が開かれ、 警察, 保護観察官, 精神科医, 自治体の住宅課職員,

 出所者支援の市民団体メンバーたちが 一堂に会しました。

 男性のリスク (危険度) を 「3」 と判定し、

 「性犯罪防止命令」 を 裁判所に申請しました。

 住宅課の助力で、 学校から離れた場所に 住まいを見つけられました。

 その後 男性は刑期を終えて、 保護観察が解かれてからも、

 警察官や看護師が 時折男性を尋ね、

 お茶を飲みながら 近況を尋ねたり、 アドバイスをしたりします。

 リスク評価が 「1」 に下がった 男性は言います。

「被害者の傷は 一生残る。

 再犯しないように 見守ってくれるのだから 感謝している。」

 マッパでは それぞれの出席者が 意見を出し合うことで、

 異なる立場からの 理解が得られます。

 再犯を恐れる出席者が、 医師から 症状や治療までの経過を 説明されることで、

 不安が解消されたりします。

 ただ、 重い性犯罪を犯した者は、 生涯にわたって マッパの対象になることがあり、

 厳しすぎる監視だと 反発する出所者もいるといいます。

〔 読売新聞より 〕