「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

性犯罪者監視  どこまで? -- 明日の課題 (6)

2011年01月22日 21時50分19秒 | 罪,裁き,償い
 
 1994年、 ニュージャージー州で 7才のメーガン・カンカちゃんが、

 性的暴行を受けて 殺害された事件を機に、  「メーガン法」 が制定されました。

 性犯罪者の再犯を防ぐため、

 出所した性犯罪者の個人情報を 一般市民に公開するものです。

「米国は 犯罪者にもチャンスを与える国。

 でも性犯罪者は、 改善が困難という点で 特別。

 メーガン法の反対者は 悪影響を主張するが、 子供たちの被害の方が はるかに深刻。

 両親が子供を 安全に育てる権利より 重要な権利はない。」

 強姦未遂罪で服役した男性 (54) が 刑期を終えて帰宅すると、

 「ここに住むな」 などの 看板や張り紙が 30もありました。

 この男性は語りました。

 「周辺の人が 自分たちを守るため、 それに 私たちが再犯をしないために、

 必要な仕組みだと思う。

 でも妻が 近所からひどい扱いをされるのは 嫌だった」

 アメリカの多くの州には、 性犯罪者を

 全地球測位システム (GPS) で監視する  「ジェシカ法」 もあります。

 元受刑者 (52) は、 足首にGPS装置を巻いていました。

 「これを付けていると、 仕事に就くのが 極めて難しい。

 何回も性犯罪を 繰り返す人間に 限るべきではないか」

 日本では05年から、

 子供に対して 暴力的性犯罪を犯した 元受刑者の居住地情報を、

 法務省が警察に 提供する制度が始まっています。

 09年末の登録者672人のうち、 性犯罪の再犯者は99人。

 このうち19件について、 この情報が活かされました。

 ニューヨークの被害者支援団体の設立者は、 こう言い切ります。

「性犯罪の再犯率の高さ、 被害者が負う傷の 大きさを考えれば、 メーガン法は必要。

 問題は、 情報を悪用したり、 偏見を抱いたりするほうにある」

〔 読売新聞より 〕