「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「実録・連合赤軍  あさま山荘への道程 (みち) 」 (2)

2008年05月13日 22時10分07秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54202851.html からの続き)

 1971年、残されたメンバーは 潜伏して先鋭化していきます。

 「革命は 一発の銃弾から起こる」 という狂信から、

 銃砲店や派出所を襲って 銃を奪い、現金を強奪して 武装化を図りました。

 体制打破,理想の国家建設という 思想に燃えながら、

 やっていることは 単なる強盗と変わりがありません。

 この頃、共産主義者同盟 赤軍派の残党と、革命左派の人民革命軍が 統一されて、

 「連合赤軍」 が結成されます。

 実態は、革命左派・永田洋子と 赤軍派・森恒夫の 独裁体制でした。

 連合赤軍は 20数名で山にこもって 軍事訓練を始めますが、

 素人の “戦争ごっこ” のようなものでした。

 巨大な国家警察に 歯向かえるわけもなく、

 個人が “共産主義化” していくことでしか、

 革命は成し遂げられない という空論を掲げ、狂った事態へと 突き進んでいくのです。

 各自が “革命的” になるために、自分の失敗や 至らないところを、

 “総括” と称して “自己批判” することを 強要されます。

 しかし 咎められる内容というのは、山籠もりの時に 水筒を忘れたとか、

 警察の取り調べ中に 親子丼を食べたのは 日和見主義だとか、

 交際していた男女が キスをしたとか、普通なら当たり前のことでした。

 けれども メンバーの中には、どうすることが “総括” になるのか、

 理解できない者もいました。

 やがて、 “総括” の方法に、

 暴力という “指導” が 加えられることになります。

 気絶して 目が覚めたときに、“共産主義化” がなされるという暴論で、

 全員が殴打に 加担しなければなりません。

 逃れようものなら、自分が “総括” の対象と なってしまうのです。

 顔が原形をとどめないほど 集団リンチを受けたあとは、

 極寒のなか 木に縛りつけられて 放置されます。

 食料も与えられず、間もなく 息絶えていくのでした。

 森は、自分たちが 彼らを殺したのではなく、

 彼らが共産主義化できずに 自分で死んだのだと言います。

 “敗北死” だと 位置付けるのです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54235183.html