「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「実録・連合赤軍  あさま山荘への道程 (みち) 」 (3)

2008年05月14日 23時13分16秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54217435.html からの続き)

 坂井真紀演ずる遠山美枝子も、永田洋子の餌食にされます。

 大山は 自分が “総括” の意志が あることを示すため、

 同士の裸の遺体を おぶって運び、土に埋めながら “自己批判” させられます。

 映画でリンチシーンを映すには 限界があるのでしょうが、

 暴行による外傷性ショックで 死に至るというには、

 相当 執拗で壮絶な暴力が 行なわれたのだろうと思います。

 ネットで調べると、映画では描かれなかった 陰惨な暴行もあったようです。

 非難の内容も、永田や森の 個人的な嫉妬 (コンプレックス) や

 怒りに触れたものになっていきます。

 遠山は、男に色目を使うと 永田に言いがかりを付けられ、

 自分で自分を殴れと 命じられます。

 そして 無残に変形した顔の前に 鏡を差し出され、見ることを強いられたのです。

 そのあとは 柱に縛りつけられ、垂れ流し状態で、

 精神的にも異常をきたして 絶命……。

 連日のように 死者が出て、矛先は 幹部にも向けられていきます。

 森を批判した幹部は、アイスピックで滅多差しに。

 “総括” ではなく、反対者に対する “処刑” です。

 “総括” の犠牲者は11人、

 8ヶ月の子を 身ごもっていた女性もおり、その子を含めれば 12人です。

 一体、どうして人間は ここまで狂気に走ってしまうのか? 

 森はかつて、一旦は組織から 逃亡した人間でした。

 再び戻ってきたとき、幹部たちは逮捕されて、森が主導者になっていったのです。

 森は元々 極めて臆病な人間だったのでしょう。

 弱い人間ほど 強がったり、力に訴えて、自制が効かず 暴走してしまいます。

 異常な思想に取りつかれ、閉塞した空間で、感覚が麻痺していき、

 自らが 失墜したり被害者にならないため、追い詰められて、

 そうする以外 なくなってしまうのではないでしょうか。

 もちろんこれは 頭で考えるだけのことで、

 実際のその状況で 人間がどんな心理状態に なるのかは分かりません。

 しかし、わずかでも 人心を掴む知恵があったなら、

 こんな異様な事態には 陥っていかなかったでしょう。

 人は心で動くものであり、力でねじ伏せようとする者は、

 いずれ 間違いなく破滅するのです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54251261.html