「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

空虚 (2) (空虚を満たすには)

2008年05月26日 21時23分07秒 | 「BPDを生きる七つの物語」より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54406963.html からの続き)

 精神科医の中には、精神疾患は 脳に原因があると考え、

 薬物療法を行なう人が 少なくありません。

 彼らにとって 症状とは病理学的なもので、

 治療によって 根絶されるべき 「悪」 とされます。

 それに対して 心に焦点を当てる医師は、

 心の病気を 内的な苦悩の 結果であると考えます。

 彼らはコミュニケーションによって、

 患者の全ての人生経験を 理解することを 治療のゴールとします。

 治療とは癒しであり、病根の切除ではありません。

 治療の中心は、BPDの人が 目的意識を引き出す 手助けをすることです。

 患者自身が、自分の存在に 意義を感じ始めるとき、空虚は満たされていきます。

 家族やパートナーの人は、BPDの人が どんなに大切な人であるかを

 強調することで、彼らの達成感を サポートできます。

 ユーモアもまた 有効なすべで、バランス感覚を 取り戻すのに役立ちますす。

 体を動かすエクササイズは、エンドルフィンを放出し、抗うつ作用があります。

 リラクゼーションや、美しい景色を 眺めたりするのもいいでしょう。

 大きな自然と 触れることでも、

 世界の歓びを感じることが できるのではないでしょうか。

 脳に刺激を与えることも 必要です。

 読書や ニュースに関心を持つこと、ゲームなどでも構いません。

 自助グループに参加したり、社会と繋がることも 孤独感を満たす助けになります。

 また瞑想や内省,礼拝なども、心の奥底を満たすための 意味を与えます。

 必ずしも 宗教的な信仰は なくても構いません。

 無神論であっても、哲学や思想を 深めることができます。

〔 「BPDを生きる七つの物語」 (星和書店) より 〕