「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「ヒロシマ・ナガサキ」 (1)

2007年08月28日 21時12分26秒 | 映画
 
 日系アメリカ人の監督が撮った ドキュメントの戦争映画を、続けて2本観ました。

 スティーヴン・オカザキ監督の 「ヒロシマ・ナガサキ」 と、

 リサ・モリモト監督の 「TOKKO -特攻- 」 です。

 今日は 「ヒロシマ・ナガサキ」 から。

 オカザキ監督は 25年間にわたって 被爆者に取材を重ね、

 原爆を投下した米兵への インタビューも入れて 映画を作り上げました。

 日本人は 痛いほど知っている 原爆の悲惨さですが、

 アメリカ人は 大半の人が知りません。

 原爆のおかげで 終戦が早まり、何百万のアメリカ兵,日本人が

 救われたと信じています。

 アメリカでは 戦後25年間、

 原爆に関する情報を 公開してはならないとしていたそうです。

 この 「ヒロシマ・ナガサキ」 は、広島への 原爆投下の時刻に合わせて、

 全米で TV放送されたそうです。

 多くの人が 無言で画面に見入り、深いショックを受けたといいます。

 僕は幼稚園の頃、広島の原爆ドームへ 行きました。

 ケロイドの写真を 初めて目にし、

 恐ろしい気持ちになったことを 今でも覚えています。

 それらの地獄絵図が 米人監督によって、

 アメリカ人たちに伝えられることが 大きな意味を持っています。

 原爆の被害を 知っている僕でも、改めて映画を見て、

 その無残さには 思わず目を覆うばかりでした。

 会場では すすり泣きの声も聞こえました。

 背中の皮膚が全てはがれて 真っ赤になったカラー映像は、

 強烈な衝撃を与えます。

 その激痛や、充分な治療もできないまま 長きにわたる苦痛は、

 想像を絶するものでしょう。

 この被害者は 何ヶ月もの間、腹這いになったまま 動けなかったため、

 胸は 激しい床ずれを起こしました。

 62年たった現在でも、肋骨がむき出しになり、腎臓が 外から見えるといいます。

(映像では 細かいところまでは 映しませんでしたが。)

 ケロイド状の背中には 今も薬をぬり続けねばならず、

 発汗できないため 相当な体調不良を 伴うのではないでしょうか。

(続く)