「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーの 「世捨て人」タイプ

2007年08月23日 20時29分59秒 | BPD,パーソナリティ障害の書籍から
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49673453.html からの続き)

 生き馬の目を抜くような 世の中で、自分は小さな猫だと 感じています。

 呑み込まれてしまうような 恐怖によって、安心を感じることができません。

 自分に対する批判を、死刑宣告のような 絶対的に過酷なものに 感じてしまいます。

 自尊心を保とうとして 仕事などに没入したり、

 内面的な恥の感情から 人を絶え間なく 非難したりします。

 固い鎧を被っているため、周りからは

 自立して、自信があり、社交的にさえ見えます。

 しかし それは虚勢に過ぎません。

 内と外では 2種類の顔を見せます。

 身近な人に対しては、

 不安感や不信,焦り,激怒,妄想,完全主義などを 露呈します。

 相手を 理想像に照らし合わせて、少しでも不完全だと

 激怒や非難を ぶつけてくるのです。
 

 心子も そんなところがありました。

 もろくて弱い自分が、辛うじて 踏みとどまっているためには、

 懸命に 鬼の仮面を装っていなければ ならなかったのでしょう。

[出典:「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」(星和書店)