「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自殺の映画「樹の海(きのうみ)」(3)

2006年06月26日 11時47分16秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/36765684.html からの続き)

 このエピソードのクライマックスに 心子のことが重なって、

 思わずこみ上げるものがありました。

 心子も本当は、生きたかったに違いありません。

 絶望的な苦しみに 襲われさえしなければ……。

 僕も 心子の姿を伝えることによって、彼女が生きた意味を残すのだという

 思いを強くしたのです。

 彼女の分まで生きていかなければ、などと思ってしまいました。
 

 別のエピソードでは、主人公の男性が 樹海で自殺した縁もない女性のことを

 「できるだけ覚えていてあげたい」と言います。

 僕も、心子のことをいつまでも覚えています。

 そして心子の生を、「境界に生きた心子」という形に残したことによって、

 他の多くの人にも 覚えていてほしいと願っています。

 心子自身も、「あたしのことを書いて」と言ったことがありますし、

 心子のお母さんも、理解されにくい心子の内面を描いてくれて

 とても嬉しかったと言ってくださいました。

 心子はカウンセラーでもあり、患者さんのためなら

 文字通り命を犠牲にしても 本望と話していました。

 拙著がボーダーの人への理解を広める一助になれば、

 彼女もきっと喜んでくれると 僕は信じています。
 
コメント
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