( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/36765684.html からの続き)
このエピソードのクライマックスに 心子のことが重なって、
思わずこみ上げるものがありました。
心子も本当は、生きたかったに違いありません。
絶望的な苦しみに 襲われさえしなければ……。
僕も 心子の姿を伝えることによって、彼女が生きた意味を残すのだという
思いを強くしたのです。
彼女の分まで生きていかなければ、などと思ってしまいました。
別のエピソードでは、主人公の男性が 樹海で自殺した縁もない女性のことを
「できるだけ覚えていてあげたい」と言います。
僕も、心子のことをいつまでも覚えています。
そして心子の生を、「境界に生きた心子」という形に残したことによって、
他の多くの人にも 覚えていてほしいと願っています。
心子自身も、「あたしのことを書いて」と言ったことがありますし、
心子のお母さんも、理解されにくい心子の内面を描いてくれて
とても嬉しかったと言ってくださいました。
心子はカウンセラーでもあり、患者さんのためなら
文字通り命を犠牲にしても 本望と話していました。
拙著がボーダーの人への理解を広める一助になれば、
彼女もきっと喜んでくれると 僕は信じています。