「世界の中心で愛を叫ぶ」,「いま、会いに行きます」に続く、
純愛3部作の“完結編”だそうです。
ともに、テレビドラマとのコラボレーションで、「タイヨウのうた」のドラマは
TBSで7月から始まるとのこと。
映画の主人公・薫を演じるのは、シンガーソングライターの YUI。
YUIは 作中の薫と同じく、ストリートライブで歌っていたところを見出されて デビュー、
「タイヨウのうた」の主役に抜擢されました。
主題歌の「Good-bye days」は、映画撮影が進行するなかで、
YUIが自ら作詞作曲したものです。
薫(16才)は、太陽の光(紫外線)に当たると 皮膚がんを起こしたり、
死んでしまうという難病 「色素性乾皮症(XP)」を抱えています。
遺伝子異常による 先天性の病気で、
重傷のケースでは、神経症状が生じて 20~30才で生命の危険に至るといいます。
薫は学校へも行けず、夜になると町へ出て 人もいない広場で歌うという、
昼夜逆転の生活をしています。
恋愛なんかできないと思っていたのに、孝治(塚本高史)と出会い、
最初で最後の恋が始まったのです。
薫の両親と親友をからめて 人間模様がつづられます。
難病の痛ましい部分は描かず、ユーモアを交えながら、初々しく、
そして 感銘するドラマが繰り広げられます。
監督の小泉徳宏は新人とはいえ、つぼを得た演出だと思います。
レコーディングのシーンで、音声を消した演出は、盛り上がるシーンなのにもったいない
と思っていたら、クライマックスへの布石でした。
薫の歌に聴衆が集まるシーンや、父親の娘に対する想いなど、
掘り下げは必ずしも深くはないものの、好印象が残る作品です。
YUIは 演技初挑戦ながら、自然な芝居で好感を持ちます。
そして、ちょっとハスキーなその歌声は、聞く者の心を引き付けるのですね。
魅力的なニューフェースです。
テレビドラマでは、山田孝之と沢尻エリカが演じるそうですが、
楽しみにしておきましょう。