蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

耐震強度偽装問題ー衆院委参考人質疑TV中継を見て

2005-12-01 01:44:10 | 時事所感
 11月29日(火)午後1時30分からの国会(国土交通委員会)中継を見た。

 肝心要の最重要参考人である姉歯一級建築士は、精神不安定のため欠席とのこと。よくまあこれだけの事件を起こした張本人がそんなことで許されるもかとあきれかえった。

 この国は何と甘くお人よしの国なんだろう。

 国家権力とは本来、このような事態、多数国民の生命財産が一部営利業者のあくなき我欲のためにその掌中でもてあそばれていることに対してこそ、直ちに強権発動されるべきではないのか。

 TV中継は実に雄弁である。関係者の人品骨柄を余すところ無く満天下に知らしめてくれる。

 3時間実に息もつかせぬ見ものであった。

 特に渦中の大物、H社の社長の面つきは東映ギャング映画の悪役も顔負けである。

 神聖なる国会議事堂の中で自己の意に沿わない発言に対しては、膝を叩いて発言者を怒鳴り上げる度胸は並みの神経ではないと見えた。

 あれでは、設計させていただく建築士などひとたまりもなく吹き飛んでしまうだろうと見えた。

 部下だろうが下請けだろうが眼中にないのではないか。

 これで本事件の構造が誰の眼にも明らかになったのではないか。

 これに対して、議員のほうから被害者救済の過程で偽装倒産の可否について質問があったが何と甘いことか。

 当該マンションの住民からみたら何と歯がゆいことか。せめて何故直ちに関係会社の資産凍結(資産保全、移動の禁止)等の措置がとれないのか?

 まさにこれでも法治国家といえるのだろうか。

 さらに会場を見ていて気になったのは、関係議員の態度である。質問者はそれなりに真剣であったがその他の議員は、メモをとるでもなく漫然とただ聞いているだけといった感じに見えたのは私だけだろうか。

 所管の国土交通省の責任も大きいと感じた。イー社から国土交通省の関係課に第一報があった際の対応をみてもまるで他人事の扱いであったようである。

 これでは国民はたまったものではない。何のための所管省なのだ。


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