蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

栄光のワールドカップ決勝進出、日本サッカー代表と国技日本相撲協会の醜態!に思うこと。

2010-06-26 19:10:53 | 時事所感
 6月26日(日)雨、やや肌寒し。

 昨日、未明、ワールドカップ一次予選通過をかけた日本対デンマークの試合を視た。素晴らしかった。

 試合開始直後は、デンマーク勢の華麗かつ確実なパス回し。日本勢はそのパスからボールを奪えない。まるでねこじゃらしで遊ばれているようだ。これはダメだ。やっぱり…。
 ところがである前半17分。あれよあれよと言う間に本田のフリーキック。まさかと思ってみていたら難なくあっという間にゴールネットに吸い込まれてしまった。

 此処から一気に形勢がたちまち変わったようだ。
 続いて、また遠藤のフリーキック。まさか、これも決まってしまった。さー大変だ。デンマーク陣のベンチが映る。緒戦にカメラが向けられた時には柔和だった監督の顔が今や鬼の形相と変じ、右手は脇の柱をへし折らんばかりにからませて、顔全体が口になったかと見えるほど、何事かこちら向かって咆哮している。

 前半、2点を守りきった日本は、後半最後にダメ押しの1点。強豪、格上デンマークを見事に3対1で沈没させてしまった。
 日本中は今大騒ぎだ。
 試合前、あれほどくさして岡田監督へは謝罪の書き込みが殺到とか。新聞は、社説でコラムで狂喜乱舞の筆舞を見せる。

 それにしても、つくづくこの世は、人生は、勝てば官軍、負ければ賊軍。結果が全てのようだ。

 サッカー日本代表の栄光に比べ、国技、大相撲の堕落、凋落の醜態はどうだろうか。貧すれば鈍す。今、サッカーは猫も杓子もの人気。だまっていても若手俊秀が雲霞の如くその門に逸集してくる。

 比べて、相撲なんかは一部の私のような半隠居爺さんのTV観戦の楽しみだけになってしまったのだろうか。新弟子募集しても集まらず…。親方が今や世界各国を、日本よりも貧しそうな国を経巡って、「どうだい、日本へ来て相撲やってみないかい?実力次第で金が儲かって良い暮らしができるよー」と。
 一時代前の女衒が、飢饉で苦しむ東北の田舎に、娘買いに歩き廻ったかのように…と、言っては酷だろうか。
 その結果、三役力士に日本人はほんの一握りとなる体たらく。
何事も量が減れば質も落ちるのだ。一方で大学相撲部出身者が幕内に多数となってもいるが…、こちらは何も相撲が好きなら態々大学まで行く事は無いように思うのだが…。

 まあ、それはともかく、今回事件の最大の元凶は、相撲協会という閉鎖的な前時代的な組織にあるのではないか。国技の看板の下に大あぐらをかいて、相撲の普及、国技としての品格とそのあり方に、疑問を抱かずに漫然と過ごしてきたからではないか。

 今回ほど、多数の力士に味噌がついてしまった現在、暫らくは相撲なんて見たくなくなるというものだ。
 名古屋場所は、おろか、今年中は相撲協会全体が謹慎して、今後の大相撲のあり方を徹底的に洗い直して、来春、初場所から心機一転出直すべきではないのか。
 その間、残った力士は、一心不乱に稽古に精進してはどうか。
 その結果、嗚呼、やっぱり大相撲っていいなと、みんなに見直されたいものだ。

 それにしても、琴光喜の往生際の悪さ。卑怯未練さはどうだ。ちゃんと本当のことを言えば厳しい罰を受けないですみますか?と再三、上部の言質を得てから、やっと白状におよんだとのこと。何たる人間として情けなさだ。
 今のところ、琴欧州、白鵬、高見盛の名前が出てこないのがせめてもの救いだ。
 相撲協会は、朝青龍の行儀の悪さに振り回されて、首にしてしまったが、協会自身はもっと酷いではないか。
 だいたい、今の世間はお相撲さんにまで、修身の鏡みたいな品行方正を求めすぎはしないか。彼らに求めるべきは、土俵の上での渾身の力比べだ。
 相撲部屋で一日、汗を流したあとで、仲間同士で、そこそこ小遣いの範囲で花札遊びぐらいはいいではないか。
 そこで遊びを離れて、賭博に走るかどうかを見極め、指導していくのが親方であり、大人としての先輩力士なのではないか。

 官僚組織の劣化・硬直化、公務員の腐敗、堕落。政治家の腐敗、堕落。自民党の凋落。そして国技大相撲の腐敗堕落。こう並べてみると、確実に、この国の土台骨が腐りかけているということではないだろうか。
 それは、政界、官界を問わず指導者、リーダーや先輩としての自らの職責や責任感の喪失、未来を見通す視野の欠落、後輩を指導する気概の無さにあるのではないか。

 更に、その根本には、日本国憲法をないがしろにしてきたからではないか。軍事費としても装備内容からも世界5番目だかの実態を有しながら、自衛隊を国軍では無いと言葉でごまかし、国防をアメリカに任せて平気でいられる人間としての自立心、誇りを喪失しているのではないか。
 その結果、誰もが生きていくうえでの緊張感を失ってしまったところにあるのではないか。
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