蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

夏の日の夕暮れのひと時に

2011-08-14 22:57:11 | 田舎暮らし賛歌
8月14日(日)晴れ、日中33度。

 私のブログをお読みいただきます皆様、
 暑中お見舞い申し上げます。
 日ごろは、お目に留めていただきありがとうございます。


ー蝉時雨残詠ー
 
暑―い、暑―い、一日が暮れた。

だが、夕方、陽が西山(甲斐駒)の右肩に隠れる頃ともなると、
茅が岳山麓のこの地は、
たちまち蝉時雨の涼やかな一時(ひととき)となる。

庭仕事を終え、汗みずくの体をシャワーで洗い流す。
蝉時雨のヴェランダで、冷えたビールを一杯、呷る。
何んともいえない爽快な気分が、身体いっぱいに広がる。

庭続きの疎林の縁(ふち)の夕日に映える赤松の梢。
その梢の上のスカイグレーの空に浮かぶ
和紙を千切って風に吹き流されたような茜雲。

そんな情景に、思わず心に湧くあれこれの思いを、
ほろ酔い気分の風の泡と消えてしまわないうちに、
文字に残そうとノートを引き寄せてみる。

だが、いざペンを手にすれば詩にはならない、牛の涎のような呟きばかり…。
ふと気がつけば、いつの間にか、利休鼠の紗の夕闇が、
私を静かに包んでいる。

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