蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

ノーベル賞受賞大村博士の“大村美術館”詣で!

2015-10-14 22:55:19 | 田舎暮らし賛歌
10月13日(火)快晴。

 このところ秋晴れの毎日。ついつい心浮き浮き。どこかへでかけたくなる。昨日は、近くの大村美術館へ。ノーベル賞受賞記念で入館料無料開放の最終日。この日は平日。少しは空いただろうかと行ってみて驚いた。
 美術館のはるか手前で誘導員の人に車を止められた。30分近く待ってやっと駐車できて、やれやれと美術館の入口はとみれば、そこでまた、4、50人の行列。何とか中に入れば、壁の絵の前で蟻の歩み…。これでは折角の絵をゆっくり鑑賞するどころではない…。
 家人と二人、二階の展望室からの八ヶ岳、茅ケ岳、富士山をの眺望を前に自動販売機のコーヒーを戴いて早々に後にして帰ってきた。

 大村美術館。10年余り前、茅ケ岳山麓のこの地へ越してきて、近くをドライヴしていて偶然みつけてはいったことがあった。
 その時は、この美術館が新薬の特許で巨万の富を得た、大村という地元出身の化学者が、地元への恩返し韮崎市に寄贈されたものであると知って、随分奇特で立派な人がいるものだと感心した記憶がある。
 その大村博士の業績が今回のノーベル賞に称えられるほどのものとはつゆ知る由もなかった。

 受賞を機に連日のようにTVや新聞で報じられる大村博士の笑顔、談話に接するにしたがい、そのお人柄の好さに、人としての生き方の立派さになるほどと思わされるばかりである。
 今までのノーベル賞受賞者は、なにか私たちとは隔絶した能力の持ち主として、半分以上縁のない人と感じてきた。
 が、今回の大村博士に限っては、天才的頭脳の結果というよりは、その研究方法をうかがっても、ただただ超人的な根気の好さのうえの成果のようである。
 また、その経歴を伺えば、地元山梨大学を出て都立高校の定時制の教師時代に、油で汚れた手も気にせずに授業に駆けつけてくる生徒を見て、自分も勉強しなおさなくてはと、大学院へ入りなおして、奥様の内助の功に助けられて研究者の道を全うされたとのことにも、深い共感と親近感を覚えた。

 そして博士の学者離れした粋なことは、この美術館の横に絶景の景色を堪能できる温泉(白山温泉)施設まで併設されて、来る人を癒そうとされているのである。
 伺えばその特許料収入250億円とかを、北里大学の再建に供されたとか。にもかかわらず、TVの画面に視るご自宅は、世田谷区内とはいえ、門から玄関まで一足ほどのごく普通のお宅のご様子。なんとつつましやかなことだろうか…。
 大村博士、この11月には文化勲章受賞だろうか…。天皇陛下もこのような博士へこそ心からのお喜びをこめて勲章を授与されるのではなかろうか…。

 清清しい好天の秋の一日であった。

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