蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

久々にNHK、“内藤啓史アナウンサー”を視る

2011-08-08 15:30:23 | 日常雑感
8月8日(月)快晴、暑し。

 昨夜、NHK Eテレで、ETV特集「ソルジェニーツィンと大統領」を視たあと、チャンネルをそのままにしておいたら、画面にあのながーい顔に、縁のふとーい眼鏡をかけた懐かしい顔が映った。内藤啓史アナウンサーだった。
 番組のタイトルに「短歌 ことばのちから」とあった。歯切れの好い語り口。内容は岡野弘彦、小島ゆかり、川野里子の三歌人がそれぞれの心に深く感じて詠んだ歌を披露するものだった。
 肝心の内藤アナウンサーの語りは、冒頭ほんの少し番組タイトルの解説と、最後の締めくくりの一言で終わってしまった。

 私が内藤啓史に目を止めたのは、奇しくも17年前の阪神淡路大震災のニュース放送でだった。
 彼は、放送画面の震災被害の惨状に、途中から声を詰まらせ涙声でそのニュースを報じていた。アナウンサーが泣いてニュースを報じるなんてそれまで見たこともなかった。
 私は驚いた。そしていつもは無機質な優等生の喋りにしか感じられないNHKのアナウンサー、その中にあっての彼は、一際異彩だった。

 それ以来、内藤アナウンサーの人間味に深い親しみを感じるようになった。その後、講談調の語りが売り物の番組もよかった。
 私は、以来、「その時歴史が動いた」など、彼こそがふさわしいのにと思った番組への起用を期待してきたが、どういうものか彼の姿はNHK中央からは姿を消してしまい、地方のラジオ番組等で、その生存(?)を僅かに確認できるに止まった。

 それにしてもどうしてNHKは、こんな人間味も技量も備えたアナウンサーを活用しないのだろうか。
 その一方で、NHKは松平アナなどとっくに定年過ぎの、かって現役時代タクシー運転手に酔ったうえでのことかどうか知らないが、張り手を喰らわしたようなお殿様の末裔を後生大事に看板番組に今も引っ張り出してくるのだ。

 NHKは、アナウンサーに限らず、脚本家、番組出演者などの人事はどうなっているのだろうか。どうみても偏ったえこひいき人事が蔓延しているように感じるのは私だけだろうか。
 ある特定の人間ばかりが、繰り返しあっちの番組にも、こっちの番組にも出てくるように感じてならないのだが…。
 これが民放なら何も言う事はない。
 だが、NHKは文字通り公共のものだ。NHKを牛耳るかの一部の幹部実力者とかの私物では断じて無い筈だ。その出演者や脚本家などの関係者には、広く公平にチャンスが与えられるべきではないか。

 ところで冒頭の内藤啓史アナウンサー。またも東日本大震災の今年、久しぶりにお目にかかるとは、これもまた奇しき因縁だろうか…。そして彼は今、名古屋放送局所属とあった。


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