2月13日(火)晴れ。暖。
今日の衆院予算委員会の取り(トリ)は、国民新党亀井静香大先生だった。今日の先生、スカイブルーの目の覚めるような明るい色の背広に胸にハンカチのぞかせて、一瞬何方(ドナタ)のご登場かと目を奪われた。
他の諸先生方が溝鼠(ドブネズミ)ルックでまるで忍者集団を見るような中で、それは異彩を放つに十分であった。このいでたち一つ見ても、今日の亀井先生の並々ならぬ覚悟のほどがお見受けできるというものだ。
しかも、他の質問議員諸先生が、分厚い資料やボードをご持参されるなかで、大先生に相応しく手元に1枚のメモもなく、フリーハンドでのご登壇であった。
委員会室は、一瞬、水をうったように静まり返った。先ほどまでの与野党からの野次でざわついていた場内が嘘のようであった。
先生は、静かに口をきった。それは、要旨次のようなものとして、私の耳に残った。
『…こうして、野党の立場で自由民主党に質問する立場に立とうとは、思ってもみませんでした…。安倍総理、私は、貴方のお人柄や政治への思いをよく知っているつもりだ。しかるに今貴方のおやりになっていることはなんだろうか。このところ内閣支持率は下がるいっぽうではないか。安倍さん、貴方の思ったとおりの政治をおやりなってはどうか。その方がどれだけいいか。
貴方も運が悪い。小泉政治の負の資産ばかり負わされて…。
この間、日本はどうなりましたか。国民生産は510兆円から503兆円に縮んでしまい、竹島は韓国に不法占拠され、北方領土ではわが国の漁船員が殺され、領土はせばまる有様ではないか。
そして日本人の精神的な荒廃はどうですか。親が子を殺す。子が親を、きょうだいを殺す。妻が夫を殺す。日銀総裁が犯罪人から高利を貪って平然としている。
日本のトップリーダーのモラルファザードのぶりはどうだろうか。
その要因は、アメリカの言いなりになって郵政民営化が改革の入り口だなんて、断行した小泉政治にある。
そのためには憲法の二院制さえ否定して、私から議員バッチをもぎ取った。私に向けられた刺客、もう少しましなのを差し向けてほしかった。金があれば女でもなんでも買えると嘯く(ウソブク)ような金がすべてというような男ではなく…。
その結果、どうなりましたか。6年前に比べて、国の借金は530兆円から、800兆円になった。
大企業はもうかっているというのに、その下請けや孫受けは悲鳴をあげている。3人に1人が非正規雇用だ。
その非正規雇用で大もうけしている企業のトップが経団連の会長だ。昔の経営者、松下幸之助さんだったらこんな経営絶対認めませんよ。
護送船団だなんだかんだといっても皆で仲良くやって、そこそこ皆で儲けを分かち合う。それが日本の3000年来のやりかたではなかったですか。それがどうしていけないのですか。
これまでの岩戸景気とかいざなぎ景気とか言われた時には、みんながそこそこ懐が潤って景気のよさが実感できた。ところが今はどうですか。
成長なくして財政再建なし。それはよくわかる。しかし、一部の上澄みだけが、自家用ジェットだなんだといったって、そんなことではちっとも世の中よくならない…。
談合談合なんていうけれど、大手の業者は好い。北海道でとれなくても、沖縄でとれる。だが、地元の業者はどうですか。力のある大手に仕事取られたら、その下請けで働くか、つぶれるしかないんですよ。そりゃあ、談合で不当な利益を得るのは悪いにきまっている。しかし、そこそこ皆で仕事を分け合うのがどうしていけないのだろうか。これでは、地方が益々駄目になっていくばかりではないか。
日本とアメリカでは、風土が違い生き方も違うのだ。何でも競争競争と一体何に向かって競争させるのですか。ゴールはいったいどこなんですか。100mなのか1000mなのか、1万mなのか先がみえない競争させてどうするんですか…。』と。
この間、政府与党席の自民党大臣たちは、蛇ににらまれた蛙のように一様に黙りこくり化石となったかに見えた。
いつかの、辻元議員が「総理、総理」と連呼して看板となったように、今日は静香先生が、渋く抑えた声で、「総理、総理」と息子にでも言って聞かせるように、何度か呼びかけると、そのたびに、安倍総理の顔がアップされ、落ち着きなく唇のあたりがピクピクするのがみてとれた。
国債による公共投資で景気浮揚を図ろうという時代遅れの感のあるケインズ経済かを未だに信奉なさるかの、またとかくの黒い噂もたった、亀井先生。世が世ならば今日の安倍総理大臣と席を代えて、首相になっていたかもしれない、派閥の領袖。
その大先生の、諄諄と説く日本の現状、政界、産業界のありようは、国民の間の素朴な思いとして沈殿しつつある思いを、一瀉千里に代弁してくれるかの一種爽快な思いで聴かされた。久しぶりにこちらの溜飲が下がった思いがした。
それにしても、国会中継、時によっては、こんな面白いものはない。いっそのこと、NHKは、1チャンネルは、政治中継放送に特化し、NHK本局は国会を、地方局は、地方議会の中継を全て放送することとしたらどうだろうか。そうすれば、欠席したり転寝したり、落書きしたりして歳費だけは掠め取って平気なんて先生も少しは淘汰されるのではないだろうか。
と、思うこの頃、さて皆様はいかがお思いでしょうか。
ー追記ー
夜のNHKニュースで、同局が実施した世論調査で、安倍内閣の支持率が、41%、不支持が43%と、初めて支持と不支持が逆転したと報じた。
これでは、今度の参院選まで持つのだろうか。
与党の改選議員諸先生は、値上がり期待で買い込んだつもりの株が、思わぬ不評の連凧でどんどん値下がり、利食いどころか、いつ損切りするべいかと、あちらの物陰、こちらの暗がりで、ひそひそもぞもぞネズミ走りといったところではないのだろうか…。
今日の衆院予算委員会の取り(トリ)は、国民新党亀井静香大先生だった。今日の先生、スカイブルーの目の覚めるような明るい色の背広に胸にハンカチのぞかせて、一瞬何方(ドナタ)のご登場かと目を奪われた。
他の諸先生方が溝鼠(ドブネズミ)ルックでまるで忍者集団を見るような中で、それは異彩を放つに十分であった。このいでたち一つ見ても、今日の亀井先生の並々ならぬ覚悟のほどがお見受けできるというものだ。
しかも、他の質問議員諸先生が、分厚い資料やボードをご持参されるなかで、大先生に相応しく手元に1枚のメモもなく、フリーハンドでのご登壇であった。
委員会室は、一瞬、水をうったように静まり返った。先ほどまでの与野党からの野次でざわついていた場内が嘘のようであった。
先生は、静かに口をきった。それは、要旨次のようなものとして、私の耳に残った。
『…こうして、野党の立場で自由民主党に質問する立場に立とうとは、思ってもみませんでした…。安倍総理、私は、貴方のお人柄や政治への思いをよく知っているつもりだ。しかるに今貴方のおやりになっていることはなんだろうか。このところ内閣支持率は下がるいっぽうではないか。安倍さん、貴方の思ったとおりの政治をおやりなってはどうか。その方がどれだけいいか。
貴方も運が悪い。小泉政治の負の資産ばかり負わされて…。
この間、日本はどうなりましたか。国民生産は510兆円から503兆円に縮んでしまい、竹島は韓国に不法占拠され、北方領土ではわが国の漁船員が殺され、領土はせばまる有様ではないか。
そして日本人の精神的な荒廃はどうですか。親が子を殺す。子が親を、きょうだいを殺す。妻が夫を殺す。日銀総裁が犯罪人から高利を貪って平然としている。
日本のトップリーダーのモラルファザードのぶりはどうだろうか。
その要因は、アメリカの言いなりになって郵政民営化が改革の入り口だなんて、断行した小泉政治にある。
そのためには憲法の二院制さえ否定して、私から議員バッチをもぎ取った。私に向けられた刺客、もう少しましなのを差し向けてほしかった。金があれば女でもなんでも買えると嘯く(ウソブク)ような金がすべてというような男ではなく…。
その結果、どうなりましたか。6年前に比べて、国の借金は530兆円から、800兆円になった。
大企業はもうかっているというのに、その下請けや孫受けは悲鳴をあげている。3人に1人が非正規雇用だ。
その非正規雇用で大もうけしている企業のトップが経団連の会長だ。昔の経営者、松下幸之助さんだったらこんな経営絶対認めませんよ。
護送船団だなんだかんだといっても皆で仲良くやって、そこそこ皆で儲けを分かち合う。それが日本の3000年来のやりかたではなかったですか。それがどうしていけないのですか。
これまでの岩戸景気とかいざなぎ景気とか言われた時には、みんながそこそこ懐が潤って景気のよさが実感できた。ところが今はどうですか。
成長なくして財政再建なし。それはよくわかる。しかし、一部の上澄みだけが、自家用ジェットだなんだといったって、そんなことではちっとも世の中よくならない…。
談合談合なんていうけれど、大手の業者は好い。北海道でとれなくても、沖縄でとれる。だが、地元の業者はどうですか。力のある大手に仕事取られたら、その下請けで働くか、つぶれるしかないんですよ。そりゃあ、談合で不当な利益を得るのは悪いにきまっている。しかし、そこそこ皆で仕事を分け合うのがどうしていけないのだろうか。これでは、地方が益々駄目になっていくばかりではないか。
日本とアメリカでは、風土が違い生き方も違うのだ。何でも競争競争と一体何に向かって競争させるのですか。ゴールはいったいどこなんですか。100mなのか1000mなのか、1万mなのか先がみえない競争させてどうするんですか…。』と。
この間、政府与党席の自民党大臣たちは、蛇ににらまれた蛙のように一様に黙りこくり化石となったかに見えた。
いつかの、辻元議員が「総理、総理」と連呼して看板となったように、今日は静香先生が、渋く抑えた声で、「総理、総理」と息子にでも言って聞かせるように、何度か呼びかけると、そのたびに、安倍総理の顔がアップされ、落ち着きなく唇のあたりがピクピクするのがみてとれた。
国債による公共投資で景気浮揚を図ろうという時代遅れの感のあるケインズ経済かを未だに信奉なさるかの、またとかくの黒い噂もたった、亀井先生。世が世ならば今日の安倍総理大臣と席を代えて、首相になっていたかもしれない、派閥の領袖。
その大先生の、諄諄と説く日本の現状、政界、産業界のありようは、国民の間の素朴な思いとして沈殿しつつある思いを、一瀉千里に代弁してくれるかの一種爽快な思いで聴かされた。久しぶりにこちらの溜飲が下がった思いがした。
それにしても、国会中継、時によっては、こんな面白いものはない。いっそのこと、NHKは、1チャンネルは、政治中継放送に特化し、NHK本局は国会を、地方局は、地方議会の中継を全て放送することとしたらどうだろうか。そうすれば、欠席したり転寝したり、落書きしたりして歳費だけは掠め取って平気なんて先生も少しは淘汰されるのではないだろうか。
と、思うこの頃、さて皆様はいかがお思いでしょうか。
ー追記ー
夜のNHKニュースで、同局が実施した世論調査で、安倍内閣の支持率が、41%、不支持が43%と、初めて支持と不支持が逆転したと報じた。
これでは、今度の参院選まで持つのだろうか。
与党の改選議員諸先生は、値上がり期待で買い込んだつもりの株が、思わぬ不評の連凧でどんどん値下がり、利食いどころか、いつ損切りするべいかと、あちらの物陰、こちらの暗がりで、ひそひそもぞもぞネズミ走りといったところではないのだろうか…。
きれいごとではない、また借り物ではない本音の発言はズッシリ重みがありますね。
昨日あるテレビ番組で「派遣社員」を取り上げていました。
フリーター、ニートの存在があるので政府には「派遣社員」はまあまあのポジション!という雰囲気がありるのでしょう。
わたしは派遣社員より低賃金で働く正社員(笑)なので大きなことは言えませんが、「派遣社員」が支える経済は偽物だと思います。
「ワークシェアリング」・・・亀井さんも発言されていようですが、皆が安定した雇用関係の上で安心して将来設計が出来なければ、少子化問題は絶対解決出来ないと思います。
亀井さん、見直しました!
ところで<亀井さん、見直しました!>とのこと。
亀井さんも、まさかと思った自民党から追放劇。自民党内の一方の旗頭の身が、いまや泡沫政党の副代表。
そこまでおちぶれて(ご本人はどう思っていられるか知る由もありませんが、傍目にはそう見えてしまいますよね)見て、初めて他人の痛みがわかるようになったということではないでしょうか。
それが証拠に、答弁にたった、安倍総理が「これは、私が尊敬してきた大先輩のお言葉とも思えません…」と反論していましたから。
安倍総理も、近々かどうかわかりませんが、総理の座からよってたかって引きずり下ろされたとき、初めて、<わたしは派遣社員より低賃金で働く正社員(笑)なので>との、さくら様のお気持ちもわかるのではないでしょうか。(笑)