蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

―秋場所始まる。皇太子ご一家ご観戦!― ひと際高い拍手に思う。

2006-09-11 01:12:55 | 時事所感
 9月10日(日) 快晴。暑し。

 北の湖理事長の先導で貴賓席に皇太子ご一家が入ってこられた。総立ちの観客席から拍手が沸き起こった。心なしかいつもに倍する拍手であり、暖かさというか、ご一家を声援する心がこもっているように聞こえた。

 着席されると幕の内後半の取り組みが始まった。

 琴光喜と出島、立会いあっという間に両者、ぶつかったと思ったら、出島が土俵にでんぐり返しでひっくりかえっていた。下手投げ、琴光喜が満足そうに勝ち名乗りを受けた。

 カメラが貴賓席をアップした。皇太子様と雅子妃の覗き込まれる視線の中で、愛子様が手元の星取表らしきものに、恐らくは○か×かで、結果を書き込まれているらしい鉛筆を動かされている姿を映し出した。そして滅多に拝することのない愛子さまの幼い笑顔を垣間見た。
 
 愛子様は大相撲がお好きで、朝青龍明徳(アキノリ)とフルネームで覚えていられるとか。琴光喜と聴くと愛知県とお答えになるとか。その博学振りをアナウンサーが披露すると、解説者の北の富士が、自分もそこまでは一々覚えていないと、愛子様に花をもたせた。
きっとお気に入りの琴光喜が勝ってお喜びだったに違いないとお見受けした。

 取り組みは、今場所も初日から波乱含みの展開をみせた。大関昇進のかかる雅山は、またまた固くなったかあっさりと苦手の安美錦に簡単に土俵に這わされたしまった。夕べ眠れなったという。やはり、人間、自分の峠を越えての再復活は容易でないように見えた。

 相撲ファン期待の把瑠都も前評判では、横綱審議員総見で朝青龍に四番立て続けに勝ったというのに、落ち目の大関千代大海の突っ張りに、敢え無く膝を屈する始末。
そして今場所こそはと、逸る白鵬は、若武者稀勢の里を、一気に押し込んだと思ったら、土俵際での打っちゃりに、顔面から胸まで砂まみれになって涙を呑んだ。

唯一の救いは、琴欧州がじっくりとした力強い相撲で勝ったことだ。痛めた膝がようやく回復してきたとか。
今日の打ち止め、朝青龍対黒海。これも前評判では調子の悪い筈の横綱が難なく黒海をあっというまに寄り切り、いつものようなここ一番の本番の強さを見せつけて終わった。

 相撲は終わった。また万雷の拍手。皇太子ご一家の退席である。愛子様は、お二人に促されて何か怪訝そうなお顔で、僅かに手を振られた。
 愛子様、いつもお見受けしたところ、大勢の人前では、簡単に笑顔をふりまかれようとはしない聡明なお方とお見受けしている。
 今回、話題の高貴なお方の、いつも、どこか努力のあとが感じられる笑顔とは大違いである。

 ここで、改めて思うのは、象徴である天皇家の後嗣が、万民に自明であり、日本国憲法の理念に合致して何の不都合もない長子相続を、何故、原則としないのだろうか。天皇には、我々下々のように姓は無いのだ。結婚したらどちらの姓を名乗るかで、一騒動一悶着する必要は無いのだ。
 それならば、女性天皇であれ、男性天皇であれ、何が変わるというのか。
 無学の山家の隠居が漏れ聞きいたところでは、明治維新以前は、天皇が男子に限るなどという決まりは無かったとか。明治維新の富国強兵国家を理想とする中で、女の天皇では戦争する時のシンボルとして不都合を思っての、俄か作りのドサクサ紛れの皇室典範だとか。

 都合の悪くなった九条改正には、躍起になる勢力が、こちらについては、いつまでも頬っ被りを決め込みたい様子が見え見えなのはどうした訳か?
 憲法改正して、海外無法国家退治に出かけるにあたって、宣戦布告の詔勅を発するのには、女性天皇では格好悪いの、魂胆が見え隠れと思うは、隠居の僻目だろうか。

 今日の、ご一家への拍手の強さは、男児誕生にのみ歓喜雀躍する、そんな一部の頑迷固陋の輩への反発込めた、愛子様エールのように聞いたのは、山家の隠居の僻耳だろうか?

 そして、天皇両陛下は、早々と新しいお孫さんの顔を見に、未だ入院中の病院にまでお出かけになったというのに、伯父様である皇太子様のコメントの一言もないのはどういうことだろうか…。

と、思うこの頃、さて皆様はいかがお思いでしょうか?

ー参 照ー

<皇太子ご一家>大相撲秋場所の初日を観戦 東京・国技館

 皇太子ご一家は10日、東京・両国の国技館で大相撲秋場所の初日を観戦した。長女の敬宮愛子さまにとっては初めて。主な力士をフルネームで覚えたり、決まり手を職員らを相手に再現するなど、以前から相撲に興味を持っていた。
 国技館入口で北の湖理事長の出迎えを受けると、理事長を見上げるように笑顔を見せた。ご一家は中入りの後半から弓取り式までを見たが、愛子さまはご夫妻の間に座り、双眼鏡を手に取ったり、一番ごとにご夫妻と話し、勝敗を取り組み表につけていた。時には、身を乗り出すようにして観戦するなど、約一時間楽しんだ。【大久保和夫】
(毎日新聞) - 9月10日19時55分更新

<両陛下、新宮さまと初対面…花かごにベビーシューズ>

 天皇、皇后両陛下は10日午後、秋篠宮妃紀子さまが入院している東京・南麻布の愛育病院を訪ね、帝王切開手術で出産された紀子さまを見舞い、41年ぶりに誕生した男の新宮さまと初めて対面された。
 紀子さまは11日が40歳の誕生日。皇后さまは、花かごに新宮さまのベビーシューズを載せて持参されていた。
 4階の病室では、秋篠宮さま、長女の眞子さま、二女の佳子さまが出迎え、両陛下は秋篠宮ご一家と一緒に、初めての男の孫の新宮さまと対面されたという。
 両陛下は病院を後にする際、報道陣に新宮さまの様子を尋ねられ、天皇陛下は「元気です。どうもありがとう」と満面の笑みを浮かべて答えられた。
(読売新聞) - 9月10日19時54分更新