てつがくカフェ@ふくしま

語り合いたい時がある 語り合える場所がある
対話と珈琲から始まる思考の場

映画『ハンナ・アーレント』deてつがくカフェが決定!!

2013年11月28日 16時21分55秒 | 開催予定
        
『ハンナ・アーレント』を鑑賞するシネマdeてつがくカフェ
開催日:2014年1月26日(日)
会場:フォーラム福島
14:00~16:00 映画上映
16:00~18:00 シネマdeてつがくカフェ(映画鑑賞後の休憩あり)
※ 事前に映画を鑑賞された方は、半券をお持ちになれば哲学カフェのみの参加も無料でできます。
※ フォーラム福島での『ハンナ・アーレント』上映期間は、2014年1月18日~1月31日です。
※ 前売り券1000円(後日、販売されます。)

このたびてつがくカフェ@ふくしまは、フォーラム福島さんのご協力を得て、映画『ハンナ・アーレント』を視聴してのシネマdeてつがくカフェを実現することができました!!
チラシには「上映協力 てつがくカフェ@ふくしま」の文言も!
フォーラム福島といえば、商業主義に流されずに数々の名作を上映してきた、福島の文化を牽引する映画館です。
以前からフォーラムさんと一緒にコラボできないかと世話人たちは考えていたのですが、このたび知人を介して支配人の阿部泰宏さんに打診したところ、二つ返事でこのコラボが実現できたというわけです。
阿部さんも以前からてつがくカフェにご興味がおありだったとのことで、とても快く了承いただきました。
とても光栄なことです。

しかも、初のフォーラム福島とのコラボ作品が、あの映画『ハンナ・アーレント』です!
ハンナ・アーレントは、『全体主義の起源』や『人間の条件』、『革命について』、『イェルサレムのアイヒマン』の著者として名高い、ユダヤ人政治哲学者です。
ユダヤ人として、あのホロコーストの時代を生き抜き、波乱万丈の人生が思想として結実した魅力的な政治/哲学者といえるでしょう。
アーレントに関しては、世話人・小野原は大学の「社会思想入門」にて「ハンナ・アーレント 政治という公的活動の場の再構築」という講義を行っています。
また、世話人・渡部は大学院時代にアーレントの『精神の生活』に出会った衝撃で哲学へ転向する羽目になりました。
その点で、二人ともアーレントに少なからぬ縁があるというわけです。
しかしそれ以上に、映画『ハンナ・アーレント』は、この手の映画としては空前の大ヒットを記録している作品なのだそうです。
阿部さんによると、なぜ『アーレント』が人気を博しているのか、その理由がまったく分析できないとのこと。
しかも中高年層をターゲットにしていたのに、大学生などの若い層の観客が目立つのだそうです。

なぜ、いまアーレントなのか?
この問いはとても興味深いと思います。
この作品は、アーレントのもっとも思想的な核心にある「巨大な悪」と「思考停止」の問題を扱った、いわゆる「アイヒマン問題」に焦点があてられていますが、それが見事にユダヤ人である彼女自身のドラマチックな人生とマッチングした作品に仕上がっているのです。
ホロコーストという巨大な悪を為しえたのは、実は「何も考えていない」という凡庸さにある。
そのことをアイヒマン裁判より報告したアーレントに対して、アイヒマンを「残虐で怪物的な人間」とイメージしていた当時のユダヤ人たちは猛烈に反発します。
さらに、彼女はホロコースト時にユダヤ人虐殺に協力したユダヤ人評議会の責任問題についても言及しますが、そのことがさらに火に油を注ぎます。
孤立無援。かつての友人たちも皆離れていく中、彼女がそれでも真実に立ち向かえたのは何だったのか?
このことを、ぜひ視聴後にてつがくカフェに集った皆さんたちで語り合ってみましょう!

実は、私たち世話人は、特定秘密保護法案が衆院を通過し、参院審議が始まった日にこの映画の試写会に参加させていただきました。
何か、この映画と私たちの生きる時代の不安が妙に符合する気がしました。
日本という国が巨大な悪を為す方向へ向かっていないか?全体主義というグロテスクな社会へ向かっていないか?
そのことをこの映画は問うているように思われてなりません。
ぜひ、この映画を通じてこの時代社会を生きるヒントを考え合ってみましょう!

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ハンナ・アーレント (ミキコ)
2013-12-17 08:03:59
はじめまして。ハンナ・アーレントというキーワードにひかれてきました。何故かというと、“いつだってXTC”というブログに映画レビューが掲載されていたからです。テニスとボランティアに情熱的なブログ主さんです。一度検索してみてください。
いつだってXTC
http://ameblo.jp/xtc4241/
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