てつがくカフェ@ふくしま

語り合いたい時がある 語り合える場所がある
対話と珈琲から始まる思考の場

第3回シネマ de てつがくカフェ ・参加者感想

2014年01月29日 23時14分17秒 | 参加者感想
去る1月26日に第3回シネマdeてつがくカフェが開催されました。
初めてのフォーラム福島さんとの共催です。
みんなで映画 『ハンナ・アーレント』 を鑑賞したあと、
そのまま劇場で哲学カフェを行いました。
映画を見に来てくださったのは130名近く、
哲学カフェに参加してくださったのもなんと90名あまり。
特別編を含めてもこれまでの最高記録は50名でしたから、
それをはるかに超える新記録の樹立ですっ
その様子は29日の福島民友新聞でも報じていただけました。



それにしてもこの映画にこれだけの人が集まるなんて!
そして、この映画について語り合いたいと思ってくれる人がこんなにいたなんて!
原発事故後初めての衆院選挙以来、
福島の現実とこの国が進もうとしている道がどんどん食い違っていくことにあきれ果て、
寂しさや空しさを感じる毎日が続いていましたが、
久しぶりに1人じゃないんだという暖かい気持ちを取り戻すことのできた1日でした。
お集まりくださった皆さま、本当にありがとうございました
今後ともぜひ 「てつがくカフェ@ふくしま」 をお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。

さて、いつもなら翌日にはアップされているカフェの報告文ですが、
最大規模のてつカフェであったためか作成が遅れているようです。
このところ感想用紙を提出してくれる方がめっきり減っていたため、
感想のアップは控えておりましたが (誰が書いたものか特定されるおそれがあるため)、
今回久しぶりに10枚以上の感想用紙が集まりましたので、
報告文に先立って、皆さまの感想をシェアさせていただきます。
これを読んで、どんな対話が行われたのか想像してみてください。


●いろいろな興味深い意見が聞けて、とてもおもしろかったです。また参加したいです。

●おもしろかったです。沢山の人が参加されていたのに、おどろきました。こうした会は大切だと思います。

●とても良かったと思います。議論が絶えずに続くことが驚きでした。一つのテーマについて真剣に考えることができる、大変貴重な機会だと思います。

●二項対立的な雰囲気や多数派の意見に流されないためには異端であることを主張できる環境と勇気が必要であるとわかりました。

●刺激がたくさんあり新しい発見がたくさんありました。いろいろな意見が聞けてよかったです。

●今回初めて参加しました。今回が特別かもしれませんが他の発言者に対する、反論や反対意見がない。期待とは違ってました。ディスカッションを想像してました。

●皆さんのお話しを聞かせていただき、いろいろな考え方があり心の内をかい間見たような気がしました。皆さんしっかりした思考がおありだと感じました。

●一つの映画を観ることで、たくさんの人の意見や思考に触れる機会が得れてとても面白かったです。誰かの言葉が自分の理解を助けるんだと知りました。

●私も〇☓思考では、何も生まないと思います。まず、人の話を聞くことは、最も高いスキルが必要だと思いました。愛ある行為。

●参加者の方々が実際にアウシュビッツへ行っていたり、起業家だったり原発事故に向き合っておりすごいと思い、詳しく話してみたいと思いました。ハンナ・アーレントが一つの民族を愛したことはない、私が愛するのは友人だと言っていた場面いいなと思いました。ハンナ・アーレントがアイヒマンを理解しようとしたように、自分もハンナ・アーレントを理解したいと思いました。

●哲学者は常に自分の経験を基に、自分との対話の中で考える方法を持つ人々なのだと、初めて知りました。考える行為は、人類の美徳だし、誰でももってる習慣です。もっと哲学を身近におきましょう。米国人の小説家との軽口は笑えました。同情もしました。

●自分はこのような場に参加するのは初めてだった。てつがくというのは難しいもので、考えたくなくなってしまってつらいことがあるが、そうではなく、少しずつ身の回りのことに目を向けるべきだと思う。そして、考えていくべきだと思う。考えることは、冷静になって自分を見つめていくことと、みんなで話し合ってよりよいものにしていくことだと思う。

●自身には思いの至らない所や、思いが言葉としてまとまらない所が他の方々の御意見をきいて、新しい思考を得られたり、形になったりして、非常に有意義な時間でした。

●楽しかったけど、消化不良。いや、消化不良だから楽しかったのかもしれない。個々人が思い思いに言える場は新鮮。大事なことだとも思う。でも 「思考」 の定義が一人一人異なることで、対話が成立しずらかったような気がした。「思考」とはどのような状態か。「思考」 の対象は何か。アーレントの考えた 「思考」 について迫りたくなった。

●人の考えが聞けておもしろいです。人の考え、単語から自分の思考の枝が太くもなるし、広がっていく。『知ろうとしない事が罪』。これは深く、そうだなと共感できるとともに、新たな視点でもあったし、自分の心に置いておきたいと思った。こういうこころみができるフォーラムという映画館の素晴らしさ。


皆さま、本当にありがとうございました。
次回は2月15日 agato にて、
そしてそのあとは3月15日に特別編をコラッセ福島にて開催します。
またのお越しを心よりお待ち申し上げます。

いよいよ映画『ハンナ・アーレント』の上映開始!

2014年01月20日 00時07分17秒 | 開催予定
いよいよ映画『ハンナ・アーレント』がフォーラム福島で上映開始となりました
フォーラム福島支配人の阿部泰宏さんによれば、初日の動員数は予想を上回る86名、2日目は95名だそうです
上映後のパンフレットの売れ行きも好調とのこと。
映画に触発された方が多いようです。
若い学生さんの姿も目につくそうです。
念のため150名入る会場を確保していただいていますが、
この勢いだと、もしかすると、てつがくカフェ当日はその会場も満席になってしまうかもしれません。

映画『ハンナ・アーレント』 シネマdeてつがくカフェ
開催日時:1月26日(日)16:00~18:00
会  場:フォーラム福島3
※この日のみ、『ハンナ・アーレント』上映時間は14:00~16:00になり、その上映後にてつがくカフェが行われます


なお、てつがくカフェ終了後に毎回「2次会」という名の打ち上げ(懇親会)がありますが、今回は事前に参加希望を受け付けます。
「2次会」(打ち上げ)に参加を希望される方は、1月24日(金)17:00までに fukushimacafe@mail.goo.ne.jp までメールにてご連絡を下さい。会場・懇親会費用は参加希望者数によって決めさせていただきますので、当日会場にてお知らせ申し上げます。


映画鑑賞者には、シネマdeてつがくカフェのみ参加できる入場券も同時に配布していただいています。
事前に映画をご覧になられた方は、当日の映画鑑賞はせずとも、てつがくカフェの入場券をお持ちいただければ、てつがくカフェに無料で参加できます。


それからもう一点お勧めの情報です。
フォーラム福島で『ハンナ・アーレント』と同時上映している『標的の村』(三上智恵監督)は、アーレントの問題提起と日本の現実が重なるドキュメンタリー映画です。
内容は、オスプレイ着陸帯建設に反対する沖縄県東村・高江の人々が座り込んで闘うドキュメンタリーですが、ただただ「衝撃!」の一言です
同映画のホームページ解説には、「沖縄・普天間基地が封鎖された日 全国ニュースから黙殺されたドキュメント」とあります。
まさしくその通り。
住民運動を委縮させる「SLAP裁判」(アメリカでは多くの州で禁じられている裁判!)では、なんと7歳の女の子が建設の威力業務妨害として刑事告発されています(実際には参加していないのに!)。
また、かつてベトナム戦争時に造られた「ベトナム村」の存在なんて、恥ずかしながら初めて知りました。
これは、高江に建設されたベトナムでのゲリラ戦を想定した密林の軍事演習用村であり、ベトコン役として高江の住民が動員されていたのです!
沖縄県警に反対派の人々が「撤去」される最後の場面など、同じ日本で起きているとは思えない現実でした。
そのさなかで、なぜ沖縄県民同志(警察と反対派住民)が争わなければならないんだ、と涙ながらに訴える女性の声は痛切でしたし、どこか私たち福島に生きるものの現実と重なり合うものを感じました。
先日開催されたエチカ福島において講演下さった高橋哲哉先生は、「日本の変わらなさには絶望するけれど、あきらめるわけにはいかない。沖縄の人々は67年間ものあいだ闘い、あきらめていない。その姿を見れば、福島があきらめるにはまだまだ早すぎる」とおっしゃっていました。
まさに、『標的の村』はその言葉を想い起させる秀逸な作品です。

本日、ワタクシはこのヘビーな2本を立て続けに鑑賞しましたが、あっという間の4時間でした!
こうした刺激的な映画を見終わった後には、その作品について誰かと語り合いたくなるものですよね。
てつがくカフェに多くの方々がご参加下さることをお待ち申し上げます。


映画『ハンナ・アーレント』前売り券販売&シネマdeてつがくカフェの案内

2014年01月06日 09時22分32秒 | 開催予定
     
このたびフォーラム福島さんの御厚意により私たちも前売り券を販売できることになりました。
前売り券は1,000円です
もちろんフォーラム福島でも買うことはできますが、
当日のシネマ de てつがくカフェの参加者数を把握したいということもありますので、
私たちのところから買っていただけるとたいへん有り難く思います。
もちろん、シネマ de てつがくカフェに参加できない方もぜひこの映画はご覧になってみてください。
そういう方々にも前売り券は販売できますので、小野原までご用命ください。
お問い合わせは、fukushimacafe@mail.goo.ne.jp までメールを下さい。

『ハンナ・アーレント』 はフォーラム福島で1月18日 (土) ~ 31日 (金) までの2週間上映されます。
その最中の1月26日 (日) にシネマ de てつがくカフェが開催されます

その日に限っては他の日と上映時間が変わるのですが、
14:00から映画を上映し、16:00過ぎから同じ劇場でシネマ de てつがくカフェを行います
シネマ de てつがくカフェに参加ご希望の方はできればその日にご覧いただければと思います。
ただし当日のその時間帯に映画は鑑賞できないけれども、あらかじめ見ておいてからてつカフェに参加したいという方は、映画を見た半券をご呈示いただければ、1月26日のてつカフェに参加できることになっております。

返す返すもフォーラム福島さんのきめ細かな御対応には心から感謝申しあげたいと思います。
この映画は、ナチスドイツの蛮行を哲学的・政治学的にきっちりと対象化しようとした、一哲学者の伝記的映画になのですが、おそらく哲学にも政治にも何の興味もないような、どんな人が見ても心に刻まれることになるような面白い映画だと思います。
シネマ de てつがくカフェに参加されるかどうかは別として、多くの皆さまに、特に福島という不条理な地で生きることを余儀なくされている皆さまにご覧いただきたいと思います。
この映画が福島で上映されるということ自体が僥倖といってもいいくらいのチャンスですので、ぜひこの機会にご覧いただけますようお願い申しあげます。