てつがくカフェ@ふくしま

語り合いたい時がある 語り合える場所がある
対話と珈琲から始まる思考の場

第7回本deてつがくカフェ・参加者感想

2015年07月12日 21時30分39秒 | 参加者感想
昨日、開沼博著『はじめての福島学』(イースト出版)を課題図書とした、第7回本deてつがくカフェを福島高校にて開催されました。
しかも、今回は著者の開沼博さんにゲストとしてご参加いただき、なんと60名の方々にご参加いただいての開催となりました。
県内各地から約10名の高校生にもご参加いただき、いつになく充実した緊張感に包まれた会となりました。
以下、参加された方々のご感想です。

● はじめての参加でワクドキではありましたが、意外とヤワラカ~イ語り口の皆様の中にず~っと入っていけた感じでした。色々な企画があるようなので、又参加して見たいと思いました。多種多様な人と1つの話題について語り合う(主に聞き役)事は、とても楽しく、自分を深くしてくれる作業です。又、違ったテーマで色々な方の御意見を聴いてみたいと思います。今回の様に意見を発現しなくても楽~にその場に居れる雰囲気であれば、又参加したいです。聞き役(たまーに発言)が好きな者もいるので…。

● 本には書いてなかった「福島学」の全体像が見えました。とても面白かったです。こういったダイアログの手法があるんだなと新しい気づきでした。

● 「思考停止しない」→公共圏=話し合いの場をつくる→そのための前提知識を得る…共感しました。

● 不安の根について知りたい!と思いました。

● 発言もしましたが、若者すばらしいです。私もいろいろ理解しました。

● 大きな事故や事件、小さな事故や事件、どんな事件にも原因があり、経過があり、当事者がいて、現在に至っています。起こってしまった事については、時間が経っても、金銭的な補償があっても、永久に解決することはないと思います(忘れることはあるかもしれませんが)。不安感を軽減するためにには、このような場を継続的に行い、議論すると、考えを伝える場、客観的にみることが大事だと思いました。そして人それぞれの解釈で考え、判断すれば良いと思います。

● 意欲がある人でも、「~してほしい」「~であってほしい」といった意見が大多数を占め、「結局は他人事」なのかな…と少し残念に思うのと同じに、どうすればその思考を変えられるのか挑戦する。知識がなくても(少なくても)対話できる、行動できる場づくりを目標にした活動にもかかわっているが、また、知ることの重要性を再認識し、そのわりふりを考えていきたいと思った。無知を知った。『はじめての福島学』の内容から離れた言葉で話していいのか、明確にしてほしかった。感想はどう思ったかではなくて、何を考えたかではないだろうか、と思った。人数が多いとどうしても池が言いづらかったり、「対話」が重視されにくくなると思うので、5人程度のグループトークにするとどうかなと思った。彼の樹論と主張論も大事だが、何故どのようにどう自分が考えたかを話せる環境づくりが必要かと思った。知識&受け売りが強かった。この場で学べるものは、自ら作るのか、線引きの必要性を感じた。~してほしい論で申し訳ありません。とても勉強になり、自分が何を変えていけばいいのか、何を為すべきかより明確になりました!ありがとうございました。

● 今回のテーマは色が出やすい難しいものだったと思います。哲学的視点からどのように切り込んでいくのか楽しみにしていたのですが、他の震災系フォーラムの流れになってしまったことが少しガッカリです。もっと深めたいと思ったのは「思考の単純化」です。「福島学」は今後考え続ける必要があると思った。「主体的に政治に参加する」や「主体性」について語りたい。当事者=主体者になりうるのか。思考するとは何か。

● 初参加でした。本に対して様々な意見を聞くことができ、改めて「福島面倒くさいな!!」と思いました。それだけ
たくさんの意見を聞くことができましたし、県内、県外というだけで更に考え方、視点があると思いました。一人ひとりがめんどうくさいに向き合うためにも、データを知ることは重要で(向き合う必要があるのかも疑問ですが)、そのきっかけになる場だt感じました。

● 福高1年の、1回も喋らなかった者です。すいません。自分もこの本さわりしか読んでいません。深く反省しています。自分は原発問題などは賛成でも反対でもないです。そして復興も「終わった」とも「終わっていない」ともどちらとも言えない考えなのです。ただ、福島について誤解されていることが嫌で、昨日これに行こう!と思い立ちました。このなんでも言える雰囲気が楽しかったです(自分は何も言いませんでしたが)。これから本読みます。

● データと事実をしめした上でもまだかいしょうされない不安ってなんだろう。もはや宗教にすくいを求めるしかないのかしら。ダイアログになれしたしんでいるの、対話式を一度やってもらいたいです。

● 「自分に何ができるのか」というところで、いつも思考が止まってしまいます。考え続けることが大切ですね。今日は参加できてとても楽しかったです。

● 残念ながら読み終えてなくて発言はどうかと思い、できませんでしたが、特に今、「自由」に思っていることを言える場が大切ですし、若い人たちに、拡がっていってほしいと思いました。私たち大人世代は若い人たちをバックアップしていかなければと思っています。わずかでも、何かの力?になっていければ、とゴーマンにも思っています。

● いろいろなよみ方があるんだなと思いました。行政の人間として、色々なデータを示していましたが、つたわっていないのだなと反省しました。

● 単純化の話が興味深かった。問題が単純化されてしまうのは考えなくてすんで楽だからだろうか。私は知性というのは自分の認知について不安であり続けることが前提として必要だと思う。これが絶対正しいという姿勢が学問でなく宗教的なものに対する姿勢だ。福島を「宗教」にしないために、本書の「福島」を知るための25の数字」は有効だろうと思った。

● 東京方の参加。福島県の抱える問題、「原発が誘致される地方の状況」「農業の状況」などを、日本が抱える問題で普遍的な問題として考えて来た。本によっても、今日の他県からの発言からも、フヘン化が思考停止や単純化にもつながることを自分の課題として考えている。著者も最後に触れたが、本をきちんと読まない(読まれない)事実を理解した。出版を生業とする者として参考になった。

● 高校生の皆さんが素晴らしい意見を出してくれた。本当は自分も社会のために為になる意見を出していきたいが、悪い意味で空気を読んでしまい発言できない。

● 「はじめての福島学」の本を読んで、統計的に福島の現実をいろいろな角度から知ることができた。私は原発が廃炉になるまで県民が寿命まで幸せに生きるためには一人一人がどんなふうに努力しつつ生きれば達成できるのかと常に考えている。今日はもっと福高生が多いかと思ってきたが、一般の方も年配も多かった。超少子高齢化社会が進む中、廃炉問題まで抱えて福島県で生きる上で福祉面が充分でない点が気になる。社会的弱者の生活が厳しくなるという意味である。県民の生活が先細りでなく何とか限界はあっても寿命までその人らしく生活できるようにみんなで努力していく方策を見つけたい。

● 初めて参加しました。来れて本当によかったです。しかも、こんなにも世代が様々な方達が県内外から集うというのは本当に初めてての経験でした。ご著書に足りないものがあるという発言がありましたが、みんなで「福島学」を完成できたらすばらしいですね。そのための「はじめての福島学」だと思いました。

● 意識が高い方がたくさんいて圧倒されてしまいました。県外の方でも、福島県をよく知っている人も結構いて、とても反省しています。でも「考えるって楽しいな」と思いました。ここに自分の考えを書くのもなんです、が福島学は完成させなくてもいい気がします。開沼さんに期待を寄せてしまったら、開沼さんが教祖様になってしまうので…。完成させるのは、今の若者だと思いカます。

● 今日の読書カフェは最後まで10分頃で帰り、最後が聞けなかったのが残念です。記録、報告を楽しみにしています。個人的な感想です。開沼さんが調査による具体事例の収集と分析から、仮説や構想まで、具象から抽象まで仕事をしての著作と想いますが、『「フクシマ」論』と『初めての福島学』で、違うと感じたとか、人権侵害とか感想を話した方々は、開沼さんの仕事の一貫性をはじめ抽象度を高めて見ておらず、具体的なレベルでしか解釈しないので話が噛み合わないと思いました。人権侵害は以前からあり原発事故が顕在化させたとか、権利保障は国への依存心やゼロリスク期待などへの反省が感じなかった。 開沼さんが新しい社会や人の在り方や地の在り方を構想しているのに対して、今まで安住していた社会へのノスタルジーか継続を期待しているなどの違いも感じました。開沼さんが自由度をあげているのに対して、個別具体的なことに引きずられ停滞してしまった。 単純化という言葉が最初に出てしまったためひきずられたけれど、短絡化と抽象化と分けた方が良かったとも思いました。抽象化は人間の知性だけど、短絡化は反知性と思います。安心を求める気持ちも良いのかとかも。開沼さんに、いろいろ求める無責任やお節介さには疑問です。自己のあり方や考え方を哲学的に根本的に問うならば、意見や価値観が違う視点からみることは有用だし、哲学カフェだから出来ることではないかと思います。

第7回本deてつがくカフェのご案内―開沼博『はじめての福島学』―

2015年07月04日 00時11分38秒 | 開催予定
7月のてつがくカフェ@ふくしまのご案内です。
すでに、開沼博さんのご著書『はじめての福島学』を課題図書とした本deてつがくカフェの開催は告知してありましたが、会場・日時が確定いたしましたので、あらためてご案内申し上げます。
そして、このたび、「てつがくカフェ@ふくしま」は、「わかりやすいプロジェクト」と「福島高校リベラルゼミ・ダイアローグ」との共催で、福島高校図書館を会場として開催させていただく運びとなりました。
両者に関しては、以下にある解説をご覧ください。
いずれも高校生の主体的な学びの実現を目指す活動に取り組まれていらっしゃいますが、高校生と一般参加者による世代を超えた対話の機会を、ぜひ哲学カフェの場で実現したいという三者の思惑が一致し、このたび共催となったわけです。
ゲストには開沼博さんもお招きいたします。
さまざまな観点から『はじめての福島学』から見える哲学的問いをめぐって、大いに語り合いましょう!


てつがくカフェ@ふくしま×わかりやすいプロジェクト×福島高校リベラルゼミ・ダイアローグ 共催

第7回本deてつがくカフェのご案内
【開催日時】 2015年7月11日(土) 16:00~18:00
【開催場所】 福島高校梅苑図書館1F(福島市森合町5-72)
【課題図書】 開沼 博 著『はじめての福島学』(イーストプレス)
【ゲ ス ト】 開沼 博 氏
【お問い合わせ先】 fukushimacafe@mail.goo.ne.jp



          


≪本deてつがくカフェとは≫
「本deてつがくカフェ」とは、あらかじめ課題図書を選定し、事前にそれを参加者全員が読んできて、その作品に含まれる哲学的テーマについて語り合う会です。文学鑑賞会とはちがい、作品論や作家論を論じ合うのではなく、その作品が取り上げている哲学的テーマについて、対話を通じて掘り下げていこうとする試みです。
今回は、あの『フクシマ論』で衝撃的なデビューを果たした社会学者・開沼博氏をお招きして、氏の近著である『はじめての福島学』(イーストプレス)を課題図書とした対話を試みたいと思います。

哲学の専門知識は必要ありません。
どなたでも、ご自由にご参加いただけます。
お茶を飲みながら聞いているだけでもけっこうです。
飲まずに聞いているだけでもけっこうです。
わかりきっているようで、
実はよくわからないことがたくさんあります。
ぜひ、みんなで額を寄せあい語りあってみましょう。


【「わかりやすいプロジェクト」とは】

「わかりやすいプロジェクト」は、「国会事故調報告を出発点とし、世代を超えて『社会のシステム』を考える機会を共有することを目指す」をテーマにて活動しているサークル活動です。高校生・大学生・社会人有志によって2012年秋に発足。これまで国際赤十字原子力関係国福島会議での高校生メンバープレゼン(2014年10月)、首都圏・福島県の高校生による同コメント作り(2015年1月~3月「次世代プロジェクト」)、大人と高校生が対話する「場」作り(2015年5月9日@郡山にキックオフ)等様々な取組を継続しています。福島高校でのガチ輪読会2014年秋に始まりました。


【福島高校リベラルゼミ・ダイアローグ(通称「ガチ輪読会」)とは】

2014年10月福島高校リベラルゼミを契機として発足した生徒主導の「考える場」。国会事故調の報告書や委員会動画、その他の素材を活用し、「自分の頭で考える」「対話を重ねる」「自分を変える」の3つに取り組んでいます。これまで、他校の方、社会人の方に御参加も得つつ、平場の対話のワクワク体験を月一ペースで継続しています。