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てつがくカフェ@ふくしま

語り合いたい時がある 語り合える場所がある
対話と珈琲から始まる思考の場

てつがくカフェ@ふくしま特別編2025「『住む』とはどういうことか? ―東日本大震災と能登半島地震を手がかりに―」

2025年01月20日 15時33分26秒 | 開催予定
てつがくカフェ@ふくしま特別編2025
【テーマ】「『住む』とはどういうことか? ―東日本大震災と能登半島地震を手がかりに―」
【日 時】2025年3月8日(土)
     14:00~15:00 提題/「住む」とはどういうことか? ―もの、人、記憶―
     15:10~17:00 哲学対話/「住む」とはどういうことか?
【場 所】福島市市民活動サポートセンターB会議室&ZOOM

       チェンバおおまち3階 (福島市大町4-15)
【参加費】無料
【飲み物】無料
【事前申し込み】申し込みは不要です。
        会場参加の方は直接会場にお越しください。
        オンライン参加の方は下記URLからご参加ください。
        
        Zoomミーティングに参加する
        https://us06web.zoom.us/j/85809645633?pwd=VjFw2X9Ri12k5GsaBWOjsU6McxDZLg.1
        ミーティングID: 858 0964 5633
        パスコード: 9fL4XK

【問い合わせ先】fukushimacafe_ishii@yahoo.co.jp(世話人/石井)




〈3.11〉後も日本各地で大きな震災が続発しています。

阪神淡路大震災や東日本大震災を経て、発災直後の救助活動や避難対応、

その後の復旧・復興作業などはだいぶ改善されたように思っていましたが、

昨年(2024年)の元日に発生した能登半島地震に関しては、

初動の遅れや復旧・復興の遅れなどが指摘されています。

なかには2016年の熊本地震への対応と比較して、

能登は見捨てられているのだといった論調まで聞かれます。

熊本のときとは地理的な条件が決定的にちがいますので、

安直に両者を比較することは慎まなければなりませんし、

9月21日の奥能登豪雨により被害が拡大した点も考慮する必要があるでしょう。

しかしながら、発災から1年以上経ってもまだ十分な復旧・復興がなされておらず、

慣れ親しんだ土地に住むことができない人々がいることはたしかだと思われます。



そこで、今回のてつがくカフェ@ふくしま特別編2025では、

石川県から山本英輔さん(金沢大学教授)をお招きして、

東日本大震災と能登半島地震を手がかりにしながら、

「住む」とはどういうことか? について話し合ってみたいと思います。

山本英輔さんはハイデガー哲学の専門家です。

ハイデガーは、主著である『存在と時間』以来一貫して、

人間が「存在する」というのは「住む」ことであるととなえ、

他の物体の存在とのちがいを強調していました。

しかも、私たちは通常、建物を建てて建て終わった物のなかに住むと考えがちですが、

ドイツ語の「建てる(bauen)」の語源は「住む(buan)」を意味する古高ドイツ語であり、

「建てる」こと自体が「住む」ことなのである、とも指摘しています。



山本さんは、このようなハイデガーの思想に刺戟を受けながら、

「住む」という人間の根源的な営みについて思索を深めていらっしゃいます。

「てつがくカフェ@ふくしま特別編」では2019年に

牧野英二教授退職記念論集『哲学の変換と知の越境』を取り上げましたが、

山本さんは同書に「言葉が語ることのうちに住む ―場所と言葉を問い直す―」という論文を寄稿し、

ハイデガーの思索を手がかりにしながら、住むことの本質を掘り下げていらっしゃいました。

その山本さんの「住む」ことをめぐる思索が、

この度の能登半島地震の被災経験によってどう深まったのかを、

「『住む』とはどういうことか? ―もの、人、記憶―」

と題する提題報告でご発表いただこうと思います。

私たちの住む場が根こそぎ奪われる震災は、

私たちが生きる(存在する)根幹を脅かします。

山本さんの石川県での経験と、私たちの福島での経験を共有しながら、

私たちにとって当たり前の出来事である「住む」という営みについて、

改めて根源的に考え、ともに語り合ってみたいと思います。



当日はいつもより1時間早い、14時00分スタートです。

会場とオンラインの同時開催で、いずれも申込みは不要です。

会場参加をご希望の方は、直接会場にお越しください。

オンライン(Zoom)参加をご希望の方は、上記のURLからご参加ください。



「てつがくカフェ@ふくしま」は、

日常の中にある「当たり前」なことを掘り下げて、

みんなが自由に発言しながら考えを深めていく対話型のイベントです。

発言を強要することもありませんので、

他の方の意見に黙って耳を傾け、頭の中で考えているだけでもかまいません。

誰でも気軽に対等に、安心して何でも話し合える場ですので、

初めての方もお気軽にご参加ください。

てつがくカフェ@ふくしま2025.2.15.「プロフェッショナルー職業倫理についてー」

2025年01月14日 21時14分08秒 | 開催予定
てつがくカフェ@ふくしま2025.2.15.
【テーマ】「プロフェッショナルー職業倫理についてー」
【日 時】2025年2月15日(土)
     15:00~17:00
【場 所】福島市市民活動サポートセンター A会議室&ZOOM

       チェンバおおまち3階 (福島市大町4-15)
【参加費】無料
【飲み物】無料
【事前申し込み】申し込みは不要です。
        会場参加の方は直接会場にお越しください。
        オンライン参加の方は下記URLからご参加ください。
        
        Zoomミーティングに参加する
        https://us06web.zoom.us/j/81844656808?pwd=tMFYg3cMZXYb2ZRn31gtcAnasNv0St.1
        ミーティング ID: 818 4465 6808
        パスコード: 1Wdqrx

【問い合わせ先】fukushimacafe_ishii@yahoo.co.jp




会場とオンラインの同時開催となります。

会場参加をご希望の方は、お申し込みは不要となりますので、直接会場にお越しください。

オンライン(Zoom)参加をご希望の方は、上記のURLからご参加ください。



さて、今回のテーマは「プロフェッショナル」です。

「プロフェッショナル」というのはとてもカッコいい言葉ですが、

それが本来どういう意味であるかを知っている人はあまりいません。

「プロ」と略して使われることが多く、その場合は、プロ野球などのプロスポーツ選手のように、

お金をもらって職業としている人のことを指しますが、それは元々の使われ方とは違います。

辞書では「専門職業人」といった訳語が最初に出てきますが、

その訳語もプロフェッショナルという言葉のニュアンスをうまく伝えられてはいません。



プロフェッショナルという名詞はプロフェスという動詞の派生語です。

プロフェスには「みんなの前で公言する」とか「誓いを立てる」という意味があります。

そこから、職に就くにあたって誓いを立てなければならないような職業のことを「プロフェッション」と呼び、

そのような職に就いている人のことを「プロフェッショナル」と呼ぶようになりました。

伝統的にはプロフェッショナルと呼ぶことのできる職業は3つしかありませんでした。

聖職者と法律家(弁護士)と医者の3つです。

この3つの職業は、クライアントの人生を大きく左右する多大な影響力をもっており、

それゆえこれらの職業に就くためには高度な専門教育を受けた後に、

守秘義務などに関する誓いを立てなければならなかったのです。

このようにプロフェッショナルというのは、元はといえば、

ごく限定された職業にしか用いることのできない、由緒正しい言葉だったのです。

「プロフェッショナル」というだけですでにカッコいいのですが、

それが「誓いを立てる職業人」だと聞くとよりいっそうカッコいい言葉だと思えてきませんか。



プロフェッショナルが立てる誓いの言葉は、

その職業に従事していくにあたって守らなければならない職業倫理を含んでいます。

その職業倫理には大別して2種類の内容が含まれています。

1つは、その職業につきものの危険性に関する禁止義務。

もう1つは、自らをその職にふさわしい理想の姿へと近づけていく努力義務です。



まず禁止義務のほうですが、職業につきものの危険性とは何でしょうか。

例えば、先に挙げた3つの伝統的プロフェッショナルはいずれもクライアントの秘密に接することができます。

その秘密をどこかに漏らしたり、悪用したりされるとクライアントは大きな損害を受けることになります。

そのためプロフェッショナルには秘密を漏らしてはならないという守秘義務が課されるわけです。

医者や看護師に関して言うならば、医療者は病気や薬に関する専門知識をもっています。

その知識は患者の治療のために必要なのですが、その知識を悪用すれば、

逆に患者の病状を悪化させたり、場合によっては死に至らしめたりすることも可能です。

そのため「ヒポクラテスの誓い」や「ナイチンゲール誓詞」では、

致死薬を用いないとか、悪しき薬をすすめないと禁じているわけです。



誓いの言葉のなかには、禁止義務だけではなく、

理想を目指して精進していくことを記した努力義務も含まれています。

たとえば「ナイチンゲール誓詞」のなかの「わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさん」とか

「われはわが力の限りわが任務の標準を高くせんことを努むべし」とか

「われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん」などがそれにあたります。

身に付けた高度な知識や技術を正確に行使するだけにとどまらず、それらをさらに向上・発展させ続け、

クライアントのために誠心誠意最善を尽くす人格性を陶冶していくことなどが誓われています。



現代においては特に誓いを立てたりしなくとも、

お金をもらって働いている人はみな「プロ」と呼ばれます。

昔と違って、今ではただのアルバイトだって、

職場でクライアントの大事な個人情報に接することができますし、

職場から下手な発信をすれば企業の存続を左右しかねない甚大な影響を及ぼしてしまいます。

というわけで今回は、プロフェッショナルとは何か、

プロフェッショナルと呼ばれるための条件は何か、とか、

プロフェッショナルが守るべき職業倫理にはどのようなものがあるか、

といったことについて考えていきたいと思います。



「てつがくカフェ@ふくしま」は、

日常の中にある「当たり前」なことを掘り下げて、

みんなが自由に発言しながら考えを深めていく対話型のイベントです。

発言を強要することもありませんので、

他の方の意見に黙って耳を傾け、頭の中で考えているだけでもかまいません。

誰でも気軽に対等に、安心して何でも話し合える場ですので、

初めての方もお気軽にご参加ください。