道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

バルビゾンへの道(Bunkamuraザ・ミュージアム)

2013年12月11日 | 美術道楽
既に終わったものですが、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「バルビゾンへの道」と題する展覧会に行きました。
山寺 後藤美術館からの出展でありまして、タイトルこそバルビゾンとありますが、分野は様々です。コローやミレーだけではなく、ムリーリヨ、ブーシェ、カバネル、ミレイ、クールベなどの絵もありました。

山寺 後藤美術館は、山形県にあり、同県出身の実業家、後藤季次郎氏が長年にわたって収集したヨーロッパ絵画を中心に、ガレやドームのガラス工芸品、ロダンの彫刻など貴重な名品を所蔵する美術館ということです。
貴重なコレクションを見せていただき、感激です。
私がいいと思いましたのは、ムリーリヨの「悲しみの聖母」を初めとする聖書をテーマとした作品でした。



六義園(文京区本駒込6丁目)

2013年12月10日 | 風流道楽
先週、駒込の六義園の紅葉ライトアップを見に行きました。
こちらも毎年出かけるスポットです。
ちょうど見頃の時期ではありましたが、例年と比べて夜に出かけても、かなり暖かいという印象を受けました。





菊の展示もありました。



新しい望遠レンズの威力です。夜間で池の向こう側からでもこれだけ撮れます。





ホフマン物語(新国立劇場・渋谷区本町)

2013年12月09日 | オペラ道楽
12月1日に新国立劇場でオペラ・ホフマン物語を見に行きました。
概要の紹介は末尾に掲げます。
ホフマン物語は、第4幕の「ホフマンの舟歌」で有名ですが、オペラとして通じてみるのは初めてです。「ホフマンの舟歌」自体は、アレッツォが舞台になった映画「ライフ・イズ・ビューティフル」をはじめ、耳にすることが多いのですが。



後の概要でも書いてありますが、ストーリーは詩人ホフマンと歌姫ステッラの物語を最初と最後に据え、その中でホフマンが3つの恋の物語を語り、それらがみな別々のようで1つの物語で、最終的にはステッラとの恋の物語につながるというような話なのですが、個々の話はともかく、全体としてはわかりにくく、とらえどころのない物語です。
でも、それはそれとして音楽、歌、舞台を楽しめばよいかと思います。
舞台の演出では、やはり第2幕目の人形オランピアとの物語がとても面白いです。衣装もど派手な色使いですし、歌だけでなく機械仕掛けの人形をうまく演じた幸田浩子の演技力に感心します。
第3幕目はあまり印象がなく、第4幕目のヴェネチアの娼婦ジュリエッタとの恋の物語は、やはりホフマンの舟歌がいいですね。ただ、いつも感じるのですが、オペラ以外にコンサートで聞き慣れている曲は、重装備でのオケの音楽に聞きならされているので、オペラ座で本来の形で聞くと、オケの迫力が乏しく感じてしまうのが難です。

役柄かもしれませんが、ホフマン、ニクラウス(ミューズ)とも印象が薄くなりがちで、3つの恋の物語それぞれでホフマンの相手役をつとめた日本人歌手が皆、大いに活躍していました。
今回、極めて久しぶりにフランス語のオペラとなりました。オペラはドイツ語とイタリア語が多いものですから。Aujourd’hui, Pourquoi, Voilàなどの単語は聞き取れますが、聞き取れるのはその程度でして、フランス語を使ってフランス旅行をするというのにはかなり実力不足とわかりました(これでもフランス語が第2外国語なのですが。)。

ホールの中のクリスマスツリー




【指揮】フレデリック・シャスラン
【演出・美術・照明】フィリップ・アルロー
【衣裳】アンドレア・ウーマン
【振付】上田 遙
【キャスト】
ホフマン:アルトゥーロ・チャコン=クルス
ニクラウス/ミューズ:アンジェラ・ブラウアー
オランピア:幸田浩子
アントニア:浜田理恵
ジュリエッタ:横山恵子
リンドルフ/コッペリウス/ミラクル博士/ダペルトゥット:マーク・S・ドス
アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:高橋 淳
ルーテル/クレスペル:大澤 建
ヘルマン:塩入功司
ナタナエル:渡辺文智
スパランツァーニ:柴山昌宣
シュレーミル:青山 貴
アントニアの母の声/ステッラ:山下牧子

【あらすじ】
第1幕(プロローグ):歌劇場の隣の酒場で、歌姫ステッラを待つホフマンは友人のニクラウス達に、三つの失恋物語を語り始める。
第2幕:オランピアは科学者スパランツァーニが作った自動人形。人形師コッペリウスに売りつけられた不思議な眼鏡をかけると、その人形が生きているように見え、すっかり夢中になったホフマンは愛を告白。ホフマンと狂ったようにワルツを踊ったあげく、オランピアはコッペリウスに壊されてしまう。ホフマンはこの時初めて、彼女が人形だったことを知る。
第3幕:楽器職人クレスペルの娘アントニア。名歌手だった母譲りの素養を持っていたが、胸を病み父親から歌うことを禁じられていた。しかし、悪魔のような医者ミラクルが亡き母親の亡霊を呼び寄せ、アントニアに歌うよう誘惑する。歌い続けるアントニアは、ついに死んでしまった。
第4幕:ヴェネツィアの娼婦ジュリエッタ。彼女は魔術師ダペルトゥットからホフマンを誘惑して影を盗めと命じられていた。賭けですべてを失ったホフマンは魂と命と影をジュリエッタに渡してしまう。恋敵シュレーミルと決闘して勝利するが、当のジュリエッタは下僕と駆け落ちする。
第5幕(エピローグ):酒場。数奇な愛の遍歴を語り終えたホフマンの元に、歌姫ステッラが現れるが、彼女の崇拝者である上院議員リンドルフと腕を組んで立ち去る。酔いつぶれたホフマンは詩の女神ミューズの幻影を見る。

おまけ
もう初台の駅にはクリスマスツリーができていました。



清澄庭園(江東区清澄二・三丁目)

2013年12月08日 | 風流道楽
11月中に清澄庭園に散歩に行きました。
最近、強いストレスを受けることも多く、そんな時には休日の散歩が何よりのストレス解消です。
こちらも、その時点ではそれほど紅葉は色づいていないようでした。
今年は清澄庭園は夜間のライトアップはなしとのこと。残念です。



紅葉よりも鳥を撮ることにしました。



この写真は新しいレンズで撮りました。鳥の赤い水かきなど実はものすごく鮮明に撮れている写真です。

鎌倉散歩

2013年12月07日 | 風流道楽
11月23日、鎌倉に散歩に出かけました。
実は目的は紅葉を見ることよりも、神奈川県立近代美術館鎌倉別館で開催中の「特別展示 ジゼル・ツェラン=レトランジュ」(12/1まで)をもう一度見に行きたかったからです。
やはりライプツィヒでも見たマックス・クリンガーの版画が面白かったです。ベルリンのシャルフ・ゲルステンベルク・コレクションで見たようなゴヤの版画も見ることができました。

さて、せっかく鎌倉に来たのだからと、鶴岡八幡宮、建長寺、円覚寺と回り、銀杏と紅葉もみて参りました。どこもすごい混雑でしたが、今年は猛暑のせいか、この時点ではどこもまだ見頃ではありませんでした。

鶴岡八幡宮



もう大銀杏はありません。



建長寺



円覚寺






ハンナ・アーレント(岩波ホール)

2013年12月06日 | 映画道楽
岩波ホールに映画「ハンナ・アーレント」を見に行きました。

ハンナ・アーレントといえばドイツ出身の哲学者ですが、この映画では、アーレントがアメリカに亡命した後、イスラエルで行われるアイヒマン裁判を傍聴し、それについての記事を書く話が中心となります。
アーレントはイスラエルで行われるアイヒマン裁判を見て、アイヒマンが余りにも平凡な人間であることに驚きます。そして、アイヒマンの思考停止がモラルの判断の停止、さらには残虐行為をもたらしたと指摘し、同時にユダヤ人の中にもナチへの協力者がいたことも指摘しますが、その記事の内容は、多くのユダヤ人から反発を受け・・。
という内容です。

アーレントの指摘した内容それ自体は至極正当だと思うのですが、やはりナチからの被害意識の強かったユダヤ社会はこれを普通には受け止めることができなかったのでしょうか。一般にナチに関することとなると、すべて絶対的な悪にしないと気が済まないという前提があり、この前提を破ることがタブーになっているようですので。
そもそもアイヒマンをアルゼンチンから拉致してきたことがアイヒマン裁判の出発点なのですが、この拉致行為自体をアルゼンチンの主権を踏みにじる行為であって、いささかも正当視する余地はないように思われますので、アイヒマン裁判というショーをアレンジしたイスラエルの行為自体に問題があります(このような国家の主権を踏みにじる行為をした国家は、イスラエルのほかに、韓国、つまり現大統領の父親の時代の韓国も挙げることができます。)。

映画はドイツ語、英語が入り交じり、よく言葉が切り替わります。
おしまいの方ではアーレントの講演の場面がありますが、見る者がアーレント(を演じているバーバラ・ズーコヴァ)の授業を聞いているような気持ちにさせてくれます。その内容もできるだけ平易に解説してくれているようで、助かります。

アーレントの考えのみならず、ユダヤ人社会の受け止め方も描き出されています。また映画の中にはアーレントの夫や友人、さらには過去の師匠ハイデッガーも登場します。
戦後のハイデッガーの登場する場面は、自分も行ったことのあるトートナウベルク(この街のレストランで食事をした記憶がありますが、もう店の名前を忘れました。)が舞台なのかなどと考えながら興味深く見ました。ナチの政権掌握とほぼ同時期にナチ党員となり、フライブルク大学総長として、ナチに積極的に協力したハイデッガーは、戦後、フライブルク近郊のトートナウベルクに隠棲を余儀なくされたのでした。

この映画の主演はバーバラ・ズーコヴァです。
私が26年前に初めて岩波ホールで見た映画「ローザ・ルクセンブルク」でも主演していました。年を取っても綺麗な女優ですが、若い時とはまた違うオーラがあります。
またこの映画に出てくるアイヒマンはすべて本物の映像です。かつて「スペシャリスト 自覚なき殺戮者」というアイヒマン裁判を描いた映画を見たことも参考になりました。

映画「ハンナ・アーレント」は12月13日(金)までですが、岩波ホールは非常に混雑しています。この映画でこの人気というのは不思議ですが、私が行ったときなど、ドイツ語のホームページ等を印刷した物を熱心に読んでいる人が複数名いましたから、ドイツや哲学に関心のある人が多く来ているのかも知れません。

神宮外苑いちょう祭り

2013年12月05日 | 風流道楽
お墓参りの帰りに神宮外苑のいちょう並木を見に行きました。
今年は夏が異常に長かったせいでしょうか、いちょうの色づくのが遅いような気がします。
それにしても、いちょうを見るだけなのに異常な混雑です。
お金をかけずに秋を楽しむことができるからでしょうか。






赤い車からワンちゃんが顔を出しています。



街はもうクリスマスです。



ピグマリオン(新国立劇場)

2013年12月04日 | 演劇道楽
だいぶ前のことになりますが、新国立劇場から劇「ピグマリオン」のゲネプロに招待をいただきました。
オペラはかなり好きなのですが、普段は演劇はあまりみない道楽ねずみも有り難くご招待をお受けして、出かけて参りました。

まずはwikiから「ピグマリオン」の紹介です。
(引用はじめ)『ピグマリオン』(Pygmalion )は、ジョージ・バーナード・ショーによる戯曲。舞台、映画の「マイ・フェア・レディ」の原作にもなった。『マイ・フェア・レディ・イライザ』という日本語の訳題も存在する。1913年初演。英語の発音は「ピグメイリオン」なので注意。
教育によって淑女や「いい女」をというプロットは映画『シーズ・オール・ザット』『プリティ・ウーマン』などにも影響を与えていると言われたり、引き合いに出されたりすることが多い。(引用終わり)

それとHPからの引用です。
翻訳:小田島恒志
演出:宮田慶子
出演:石原さとみ 平 岳大 小堺一機
綱島郷太郎 増子倭文江 橋本 淳 春風ひとみ 倉野章子
佐藤 誓 櫻井章喜 橋幸子 三宅克幸 林 英世 水野龍司
中尾和彦 東山竜彦 柏木ナオミ 一倉千夏 竹内晶美 千田真司
五十嵐耕司 窪田壮史 川口高志 林田航平 井上沙耶香 森川由樹


花売り娘イライサの石原さとみの声はどうも聞き取りにくいと最初思いましたが、これはなまりのある役設定のためとのこと。後でわかりました。ビギンズ役の平岳大は嫌な人間の役にぴったりです。それと、イライザの父親役の小堺一機の演技はなかなかリアルで、浮浪者の役なのですが、演技で臭いが伝わってきそうな感じでした。それとビギンズの母親役も、おちついてとてもいい演技で、脇からしっかりと主役達を支えているという印象を受けました。
劇の冒頭の場面で、主立った登場人物が雨宿りの場で顔合わせをするのですが、その場の音響効果もとてもよく、自分までもオペラの帰りに雨に遭ってしまったかのような感覚を覚えました。
時々は新国立劇場に演劇も見に行こうかと思いました。

それと、本筋とは関係のない話ですが、翻訳:小田島・・というのを見て、自分が学生時代に現役の教授だった小田島先生まだご活躍なのかと思いましたら、あれま下のお名前が違うようで、どうも息子さんのようです。学者の世界ではこのようなことも珍しくないようです。

中劇場の様子





「ピグマリオン」11/12のゲネプロでみました。
上演期間は11/13から12/1まででした。



新宿御苑の菊

2013年12月02日 | 風流道楽
今日も少し前の話題になります。
新宿御苑で11月15日まで菊花壇展が開催されていました。
私が出かけたのは11月16日でしたので、菊花壇展自体は終わっていましたが、まだ菊の見頃ではありました。
すごい人出で、孫を花壇の生け垣の内部に入れて走り回せて写真を撮ることに余念のない老人もいれば、老人グループが生け垣の内部に大挙して入る込むなどの行動が見られましたが、このエリアは生け垣の中に入ってよかったのでしょうか。


湯島天神菊祭り(文京区湯島)

2013年12月01日 | 風流道楽
夏のドイツ旅行編一応紹介し終わりました。
一部、補充することがあるかもしれませんが、一応一区切りとなってしまいました。
そうなると、ネタが少なくなってきそうです。

最近は仕事で悶絶しそうになりながらでありますが、また散歩もしています。
もうだいぶ前になってしまいましたが、久しぶりに湯島天神の菊祭りに行きました。

毎年大河ドラマの登場人物の菊人形がありまして、毎年役者とはちっとも似ていません。
今年は、山本八重、覚馬、川崎尚之助の3人の菊人形がありました。新島襄はかわいそうに登場させてもらっていません。背後が若松城なので、仕方ないのかもしれません。

湯島天神の中では猿回しのイベントもやっていました。
この写真はうまく撮れませんでしたので、菊の写真でも載せておきます。




菊祭りは平成25年11月1日(金)~11月23日(祝・土)の開催でした。