道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

三菱一号館美術館 名品展2013 ― 近代への眼差し 印象派と世紀末美術

2013年12月29日 | 美術道楽
丸の内の三菱一号館美術館で開催中の名品展2013に行って参りました。
名品展というだけあって、様々な画家の作品が展示されています。
特に充実していたのがロートレックとルドンの作品です。
ロートレックのポスターの生き生きとした描き方は、テレビ東京の番組「美の巨人」でも知ることができましたがが、今回、何枚も作品を比べながら見ることができ、非常に興味深く思われました。
ルドン作品は、三菱一号館の自慢の「グラン・ブーケ」はもちろんのこと、それ以外の作品、色彩のある作品からちょっと不気味な白黒の作品(ゴヤへのオマージュなど)まで見ることができます。

コレクションの中で特に関心をひきましたのは『レスタンプ・オリジナル』です。これは、1893年から1895年にかけてパリで限定版として発行された版画集ということで、ロートレックやピエール・ボナール、モーリス・ドニ、ポール・ゴーガンをはじめとして、19世紀末のパリで活躍した著名芸術家による様々な技法の版画約100点が含まれるということです。スイスのコレクターの所蔵品にさらに、ボナールの『パリ生活の小景』連作やドニの版画集『アムール(愛)』なども加えたコレクションということです。版画集に作品を出しているのは、画家だけに留まらずロダンまで含まれているようです。これだけの著名な芸術家が名を連ねた版画集とは何ともすごいことです。
このほか、ドガの「アテネの学堂」の模写なども大変に印象に残りましたし、またヴァロットンの作品を見まして、来年のヴァロットン展への期待も高まりました。