道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

クララ・シューマン 愛の協奏曲(Bunkamura ル・シネマ・渋谷区道玄坂)

2009年08月16日 | 映画道楽
Bunkamuraのル・シネマで映画「クララ・シューマン 愛の協奏曲」を見ました。
初回から満員で,とてつもなく混んでいました。

因みに,昨年のドイツ映画祭で上演された作品のうち,私はこの作品だけは,見ることができませんでした。

ストーリーは,ハンブルクで新進気鋭のブラームスが,ロベルト・シューマンとクララの夫婦と知り合い,2人がブラームスの才能を見いだすところから始まります。
ロベルト・シューマンは,デュッセルドルフの音楽監督に招聘され,シューマン夫妻はデュッセルドルフに移住します。そこに,再びブラームスが訪問します。
ロベルトは気難しい性格で,しかも病んでおり(その病名は映画の中で,明確に示されていません。),作曲家としては素晴らしくても,音楽監督としてはトラブルを抱えます。その中で,名曲「交響曲第3番ライン」を完成させ,妻クララの助けも得ながら,演奏は成功裡に終わります。
ところが,ロベルトの病状はどんどん悪化し,ようやく治療を受けることにします。

ロベルト,クララのシューマン夫妻とブラームスとの関係は,単純な三角関係に留まらず,才能を認め合ったり,お互いに助け合ったり,そしてクララとブラームスとの愛情もあったりと複雑な関係になっています。

クララ・シューマンといえば,ユーロ導入前は100マルク札に描かれており,最もよく目にした紙幣ということで印象に強く残っています。
これもユーロ導入前の昔話となりましたが。

ゴーギャン展(東京国立近代美術館・千代田区北の丸公園)

2009年08月15日 | 美術道楽
金曜日の夕方に竹橋の東京国立近代美術館で開催中のゴーギャン展に行きました。
転職して画家となったゴーギャンがタヒチに渡る前の時代,タヒチ時代,タヒチ後にマルキーズ諸島で暮らした日々と順序を追って絵が展示され,音声ガイドも丁寧な解説です。
一部版画の部分は見とばした部分もありましたが,おおむね集中してみることができました。
大作「我々はどこから来たのか,我々は何者か,我々はどこにいくのか」などはとても圧倒されました。この絵も,丁寧な解説が付いていたので,とてもわかりやすかったです。
ゴーギャン=タヒチ=西洋文明の届かない土地の人物の絵くらいのイメージしか持っていなかった自分でしたが,ゴーギャンの絵の見方というものを習うことができました。
ゴーギャンはタヒチでも,ある種の疎外感もあったのでしょう。
絵の展示の量も適量で,なかなかいい企画展でした。


美々卯(渋谷西武)

2009年08月14日 | 食道楽
シネマライズでバーダーマインホフを見た帰りに,渋谷の西武にある美々卯で,ぶっかけおろしの天ぷらうどんを食べました。
天ぷらでそこそこお腹もたまりますし,ぶっかけおろしなので,食べやすいです。
あまり食欲がないときでも食べられる食事です。

伊勢神宮と神々の美術展(東京国立博物館・台東区上野公園)

2009年08月13日 | 美術道楽
東京国立博物館で開催中の「伊勢神宮と神々の美術」展に行ってきました。
伊勢神宮の遷宮にまつわる品々ほか,伊勢両宮の曼陀羅や古文書等が展示されていました。

伊勢神宮以外にも,奈良の西大寺や京都の石清水八幡宮,大分の奈多宮,和歌山の熊野速玉大社から来た展示物などもありました。

こちらの展覧会もテーマの統一性が欠けており,見終わった後も印象に残らない感じでした。それと,音声ガイドのナビゲーターが美輪明宏なのはいただけませんでした。

フランス絵画の19世紀展(横浜美術館・横浜市西区みなとみらい)

2009年08月12日 | 美術道楽
みなとみらいにある横浜美術館にフランス絵画の19世紀展を見に行きました。
ダヴィッド,アングルら新古典主義から,ロマン主義のドラクロワ,リアリズムのクールベ,さらにはミレー,ゴーギャンなど何でもありの盛りだくさんの絵画展でした。
音声ガイドも聞きましたが,音声ガイド一つ一つは短いのですが,何せ出品数が多く,なおかつ絵には絵画それ自体の解説と画家についての解説と2つもあるので,これをそれぞれ見ていると本当に疲れてしまいます。
途中から解説は読み飛ばしながら見ました。
この展覧会は,最初に島根県立美術館で開催され,巡回して横浜美術館で開催されています。そのため,ゴーギャンの牛の絵など島根県立美術館の絵画も展示されていました。

意志の勝利(シアターN渋谷・渋谷区桜丘町)

2009年08月11日 | 映画道楽
渋谷のシアターNでレニ・リーフェンシュタール監督の意志の勝利を見ました。
1934年9月4日から1週間にわたってニュルンベルクで開催されたナチスの党大会の様子の模様を記録した映像です。
ですから,映画といっても,実際のナチスの幹部達が登場するプロパガンダ映画です。
ヒトラーが飛行機に乗ってニュルンベルクを訪問する場面から始まり,ヒンデンブルク前大統領の追悼式を行う場面,ヒトラーの演説の場面,軍の幹部が国家に対してではなく,ヒトラーに対し忠誠を誓う場面等,見所はたくさんあります。
いままでナチス時代の映像として見ていた原典はここにあったのかと思うこともたくさんありました。
非常によくまとめられたプロパガンダ映画であり,その出来映えが良すぎたため,監督は戦後,ナチスの協力者とレッテルを貼られ,十分な創作活動ができなくなったといういわくつきの映画です。現在でもドイツ国内での一般上映は禁止と言うことです。

それにしても、解説なしでナチスのパレードのみが延々と写るような映像では,ついつい退屈してしまいました。その後の歴史において起こったことを考えると不謹慎なのですが,睡魔には勝てませんでした。

Ocean Dining(ホテル日航東京・港区台場1丁目)

2009年08月10日 | 食道楽
ホテル日航東京宿泊中には,Ocean Diningという店で夕食をとりました。
前菜はバイキング形式でとり放題です。
イカ,貝のマリネ等魚介類がおいしかったです。ローストビーフもなかなかいけました。


次いで魚介類のパスタが出ます。
おいしかったですが,この時点で魚介類を沢山食べましたので,メインを鴨肉にして良かったと思いました。


メインの鴨肉のロースト。メインの料理も選ぶことができる形式になっており,本日の魚のどれかを指定して,その調理方法を指定することも可能でした。ほかにも,料金をプラスすれば,鮑の料理なども頼めました。


デザートはまた選択形式でした。


ファミリーからカップルまで比較的入りやすい店です。
最初,ファミリー客が多かったので,少し心配でしたが,2人用の席は違うコーナーに用意してくれましたし,またここの店に来るお子様達は親御さんのしつけも悪くなかったようです。
閉口したのは突如,大雨が降り,ビアガーデンにいたと思われる集団が,最後に大挙して押し寄せ,とてもうるさくなったことです。

ホテル日航東京(港区台場1丁目)

2009年08月09日 | 日常の道楽
休暇に台場にあるホテル日航東京に宿泊しました。
レインボーブリッジと海の見える側の部屋です。

スパ付きのコースでしたので,プールのジャグジーを楽しんだり,プール脇でゆったりと休みをとりました。
近場でしたが,景色のいい部屋で十分にくつろぐことができました。

ツインルームの中の様子

クヌート(角川シネマ・新宿区新宿3丁目)

2009年08月08日 | 映画道楽
新宿の角川シネマで上演中の映画クヌートを見ました。
ベルリンのZoologischer Garten駅のすぐ近くにある動物園で生まれた北極クマのクヌートは,母親の北極クマから授乳もしてもらえず,育児放棄をされ,動物園の飼育員トーマスによって飼育されることとなります。その後,すくすくと子グマに成長したクヌートはベルリンの動物園の人気者となり、大勢の観光客が集まるようになります。
やがてクヌートは,地球温暖化によって絶滅の危機に瀕している北極グマの保護を名目に環境保護大使になります。

クヌートの話のほか、北極で育つ北極グマの親子の話やベラルーシで母熊を失った2匹のヒグマの話も絡めストーリーが展開します。ただし,こちらの方の話はクヌートとどう関係があるのかやや疑問もあります。

ベルリンの動物園の前はそれこぞ数え切れないくらい通ったところがありますが,一度も入ったことはりません。
いつか,行ってみたくなりました。しかし,もうクヌートも映画に出ているかわいらしい小熊ではなく,大きな大人の熊になっているのでしょうが。

ドイツ社会民主労働党設立

2009年08月07日 | 衒学道楽
1869年8月7日,アイゼナッハにおいて,アウグスト・ベーベルとウィルヘルム・リープクネヒトらによって,ドイツ社会民主労働党(SDAP)が設立されました。
地名にちなんでアイゼナッハ派とも呼ばれます。
アイゼナッハ派はマルクスの第1インターナショナルの考えに忠実な政党だったようです。
設立された場所はアイゼナッハにあるGoldener Loeweという建物です。1994年12月にアイゼナッハを訪問した際に,Goldener Loeweの写真を撮っており,それが冒頭の写真ですが,特に観光客が訪れている雰囲気はありませんでした。

以前のブログでも書きましたが,ドイツ社会民主労働党(SDAP)は,フェルディナント・ラサールの全ドイツ労働者協会(ADAV)と合流し,ドイツ社会主義労働者党(SAPD)となります。

バーダー・マインホフ 理想の果てに(シネマライズ・渋谷区宇田川町)

2009年08月06日 | 映画道楽
今日,渋谷のシネマライズで,映画「バーダー・マインホフ 理想の果てに」を見ました。

女性ジャーナリストのウルリケ・マインホフは,イランのパーレビ国王のベルリン訪問に反対するデモ隊の学生が警官に射殺されるという事態に大きな衝撃を受けます(注:映画に言及はありませんが,最近の研究の結果,学生を射殺したこの警官は旧東ドイツの国家保安省シュタージの手先であったという疑惑がもたれています。)。

同じ頃,ベトナム戦争に反対するため,アンドレアス・バーダーとグドルン・エンスリンというカップルは,フランクフルトのデパートに放火し,逮捕され,有罪判決を受けます。その後,バーダーらは上告し,その保釈期間中に海外に潜伏しますが,密かにベルリンに帰国したところを逮捕され,その脱走の手助けをしたマインホフは,バーダーやエンスリンと行動を共にすることとなり,ドイツ赤軍(RAF)を創設します。

当時,ベトナムにおいて跋扈していたアメリカの帝国主義を打倒するという目的自体は,当時の多くの若者の共感を得たのでしょう。

しかし,現実には,バーダー・マインホフのグループは,ヨルダンの砂漠において,イスラエルを敵視するアラブ人から破壊活動の手法を習った上で,ドイツ国内で銀行強盗,新聞社の爆破等の破壊活動を重ねていくことになります。もちろん,アメリカ帝国主義とは何ら関係のない市民も巻き添えにして。
やがてバーダー・マインホフのグループは逮捕されますが,これに続く第2世代のテロリストたちはさらに行動を先鋭化させていきます。在ストックホルムのドイツ大使館の襲撃,ベルリンの高等裁判所長官の暗殺,連邦検事総長の暗殺,実業家シュライヤーの誘拐,ハイジャックなどです。そして,そのことを知ったバーダーやマインホフたちは・・・

2時間30分という長時間の映画ですが、それでも映画のストーリーの展開は早く感じられます。
ドイツ赤軍の10年間の歴史を取り扱っているからです。

日本でも,新左翼の赤軍派グループは銀行強盗をしていますし(松江相互銀行米子支店強奪事件),また浅間山荘事件の前には総括と呼ばれるリンチ事件がありました。

とても重い映画です。
アメリカ帝国主義への反発はともかくとして,バーダー・マインホフのグループが実際に行った破壊活動は何一つ肯定することができません。しかし,どうしてこのように暴走してしまったのでしょうか。映画を見ても,その謎は解けませんでした。

PARAS新宿店(新宿区住吉町)

2009年08月05日 | 食道楽
以前にも既に紹介した記憶ですが,曙橋の駅からあけぼの橋どおり商店街に入ったところにあるインド料理店PARASに行きました。
店の中が暗く,通りから店の様子がわからないため,迷っていたところ,店員に引き込まれてしまいました。
ランチタイムだったので,ランチメニューにしたところ,カレーを自分で選ぶことになっていたので,野菜カレーにしました。このほか,ナン,小ぶりのライス,小さなチキン,飲み物も付いています。カレーは辛さを選ぶことができますが,今回は無難に「普通」(辛さ1)にしましたら,全然辛くなかったです。野菜も人参を煮込んだものだったりと,かなり日本風にアレンジしたカレーでした。
インド料理店も沢山ありますが,なかなかおいしい店を探すのは難しそうです。やはり,インド料理を食べに行くなら,神楽坂方面がいいのかと考えてしまいました。

トリノ・エジプト展(東京都美術館・台東区上野公園)

2009年08月04日 | 美術道楽
開幕したばかりのトリノ・エジプト展に行ってきました。
日本におけるイタリア年の記念行事として開催されている展覧会です。
トリノは,ロンドンの大英博物館やパリのルーブル美術館,ベルリンのエジプト博物館に匹敵する世界屈指のエジプトコレクションがあるのだそうです。
19世紀にイタリアを統一したサルディニア王国のサヴォイ家も,ナポレオンのエジプト遠征にしたがい,後にフランス総領事となったベルナルディーノ・ドロベッティが集めた美術品を購入したことに美術館の起源があるのだそうです。

今回はアメン神とツタンカーメンの並んだ像を初め,数々の彫像やミイラ,彩色木棺,死者の書などが展示されていました。
特に彫像と石碑(ステラ)の展示はふんだんにありましたが,こうした展示もまたすぐに忘れてしまうのが難です。
ベルリンのネフェルティティのようにそれ一つだけで著名で,その作品を見るためだけにその美術館を訪問するという究極の一品があると違うのかも知れませんが。

ル・コルビジェと国立西洋美術館展(台東区上野公園)

2009年08月02日 | 美術道楽
国立西洋美術館開館50周年を記念して開催中の「ル・コルビジェと国立西洋美術館展」に行ってきました。

国立西洋美術館のもとになった松方コレクションの歴史,国立西洋美術館の建物の建築の歴史やコルビジェの設計図などの展示を見ることができます。
増築がされる前の昔の西洋美術館の姿を模型やCGで見ることができました。
とはいっても,模型とかにはどうにも関心が沸きません。CGで写された館長室など一般に立ち入りが禁止になっている、細い階段で上がった上層階の様子が面白かったです。
1階のピロティを初め,コルビジェの建築に対する考えの一端も知ることもできるような展示です。

ほかに地下1階の企画展が開催される部屋では「かたちは、うつる」と題して,常設コレクションの版画展をやっていました。デューラー,ゴヤ,ドーミエの作品など見ることができました。