道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

造形博物館(ライプツィヒ)

2013年08月31日 | 美術道楽
誤植が多く,かつ,企画展が説明不足だったので書き直し,今日何度目かのアップし直しです。

ライプツィヒ2日目は,まず自然史博物館に行きました。しかし,開いていない部屋が多く,少し化石の展示とかを見ただけで,すぐに退散しました。
その後,市歴史博物館(Stadtgeschichtliches Museum Leipzigただし何故か現代史博物館と訳されることがあります。原語に照らしても,展示内容に照らしても現代史博物館という訳語は誤りなのですが。)に行きました。こちらは,先史時代から現代までの文化財と歴史資料を展示してあります。因みに旧市庁舎や諸国民戦争記念碑にも,この歴史博物館のテーマ別の分館があるようです。
今回,訪れた市歴史博物館では,現代史,特にヒトラーの時代と旧東ドイツの時代を中心に見ました。ベルリンにも,フンボルト大学の近くにドイツ歴史博物館がありますが,ドイツの歴史博物館はいつ見ても,展示物が多く,ひたすら勉強という感じで,見ていると疲れます(夏に暑さをしのいだり,冬に寒さをしのいだりするには適していますが。)。おりから,ちょうど大人数の女子高生の集団見学のようなグループが入ってきたので,入れ違いに退散しました。歴史博物館でも何か子供むけの企画展をやっておりましたが,こちらはパスしました。

歴史博物館から見た景色




そして,ようやく造形博物館につきました。前にも書きましたが,現在の連邦行政裁判所が昔は造形博物館でもありました。
現在の造形博物館は新しい建物で,エレベーターは絵画を運べるようにとても巨大であり,小部屋ごと上に運ばれるようです。空母の中で飛行機が下から地上に運ばれるような感じです。
さて,造形博物館ですが,最上階は現代の作品,そして下に降りながらそれ以外の作品を見て,また地下1階には企画展が展示されているという形式でした。
最上階からスタートしましたが,名前を知らない芸術家の作品でしたが,とても興奮して見てしまいました。
現代の作家以外の作品も,もちろん有名な画家の作品が多数展示されており,興奮してしまいます。写真撮影が許可されていることをいいことに次々と撮影しました。

ハルトヴィック・エーベルスバッハ(Hartwig Ebersbach)(ライプツィヒ居住)の作品


カタリーナ・グローセ(Katharina Grosse)(フライブルク生まれでベルリン居住)の作品:この作品とても気に入りました。家にあったらいいのに・・・と思ってしまいました。


ベックリン「死の島」


マックス・リーバーマン「ティアーガルテンの散歩」


ルーカス・クラナッハ(父)「アダム」「イブ」


他にもオットー・モーダーゾーン,レーンバッハ,フランツ・フォン・シュトゥック,テオドール・ルソー,カスパー・ダヴィッド・フリードリッヒ,ルーベンス,マックス・ベックマン,キリコ,ココシュカ,マックス・クリンガー等々の展示があるのですが,きりがないので,やめておきます。


美術館の展示があまりに多いので,企画展に行く前に途中で疲れて1階のカフェに入りました。美術館自体がモダンな建物です。

カフェ


カフェのある1階ホール

なぜかミケランジェロのダヴィデ像



地下1階は企画展「世界の創造者―リヒャルト・ワーグナー,マックス・クリンガー,カール・マイ―ロザリエによる空間とともに―」“WELTENSCHÖPFER RICHARD WAGNER, MAX KLINGER, KARL MAY MIT RÄUMEN VON ROSALIE”が開催されています(9月13日まで)。
作曲家ワーグナー,インディアンを主人公にした冒険小説で有名な作家カール・マイ,シュルレアリズムに影響を与えたマックス・クリンガーはどうつながるのか。誰が考えても不思議に思うところですが,この企画展の開催要領でも,この当然の問題提起から,企画の説明を始めております。

展示内容ですが,ワーグナーのニーベルングの指輪にも出てくる英雄のイメージ,火(眠るブリュンヒルデを囲んで守っていたのも火でした。)のイメージ等々が取り上げられ,それぞれに作品が展示されており,マックス・クリンガーの作品のほか,ワーグナーのラインの乙女の絵などが展示されていました。

さて,ワーグナー,カール・マイ,マックス・クリンガーのそれぞれを結びつけているものは何かという問いですが,結局のところ,ロザリエの空間ということになるかと思います。シュトゥットガルトで活躍中の光の芸術家ロザリエが,三者それぞれのイメージの作品で,光を使った芸術作品を各1作づつ使っており,それが3者を結びつけているのです。というかやはり,基本的に三者には脈絡がなく,それぞれとロザリエの空間がつながっているだけです。
しかし,奇をてらった企画であり,見てもよく分からないという印象は否めませんでした,それに,相方ねずみと道楽ねずみのねずみ属たちは,常設展の展示で興奮しすぎてしまい,地下1階の企画展に着いたときにはもうお疲れモードになってしまったのもよくなかったようです。おまけに,ブログにアップする1か月の間に訳の分からないままだんだん記憶から消えてしまってきているというのが正直なところです。こちらは写真撮影禁止のため,写真はありません。