昭和19年上半期の直木賞受賞作です。メディア統制の中で書かれた戦記物ですが、日本軍のニューギニア侵攻の様子が(従軍記者だった実体験を元に)生々しく書かれています。ロジスティックの語源ともなる戦略物資の補給線が乏しくまた軽視されていたことが読み取れるのですが、当時はそういう感覚はなく精神力で突き進む日本軍の勇ましさという観点の方で読まれたのではないでしょうか。
米一合を何日にも渡って食いつなぎつつ(まさに精神力で)4千m級の山々を乗り越えて進軍し、さて敵基地を総攻撃というときに、ガダルカナルの全滅などの戦況の変化で同じ道を敵に追われながら撤退していくというなんとも兵隊にとっては切ない話です。
「ニューギニア山岳戦」岡田誠三 メディアファクトリー
米一合を何日にも渡って食いつなぎつつ(まさに精神力で)4千m級の山々を乗り越えて進軍し、さて敵基地を総攻撃というときに、ガダルカナルの全滅などの戦況の変化で同じ道を敵に追われながら撤退していくというなんとも兵隊にとっては切ない話です。
「ニューギニア山岳戦」岡田誠三 メディアファクトリー