日本史の合戦では騎馬兵というのがよく出てきますが、その嚆矢は源平合戦ですね。義経の鵯越だったり、馬の機動性がよく活写されます。しかし、当時の日本馬は背高140㎝弱で現代のサラブレッドよりも20㎝も低かったのです。ポニーといえるレベルです。ここに人と鎧で90キロもあったとされる武士が乗っても、よたよたと走るばかりで、全力疾走は100mもできなかったらしい。ましては逆落としのようなことは不可能で(そもそも馬は下り道が大嫌い)、畠山重忠は馬の前足を担いで下ったとされるくらいです。大河ドラマではあらあらしい騎馬隊が演出されますが、そんなことは明治期までなかったのでありますね。騎乗の武士はその最大瞬間速度をいつ出すかを念頭に(さらに騎射する)戦っていたそうです。
「源平合戦の虚像を剥ぐ」川合康 講談社選書メチエ72
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