活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【9月1日】

2024-09-01 | 新書

今から10年前、STAP細胞事件が起こりました。理研の小保方某という研究者が起こした事件です。小保方に踊らされた理研幹部は予算を注ぎ込んだのですが、結局データは捏造ということでした。これは小保方教とでもいえる小保方の人柄に周囲がお花畑にいるかのように浮ついた結果なのですが、科学者というものはいとも簡単に騙される典型となりました。かつてオウム真理教には東大、慶大、東工大といった錚々たる大学の研究者が属していて話題になりました。なんでこんな科学者があんなまやかしな宗教に受信するのかと思いましたね。もちろん何を信ずるかは本人の自由なのですが。問題なのは、STAP細胞事件は小保方の研究者としてあまりにも稚拙な行動が起こしたものということで当初は反省が生まれましたが、本人には全くその自覚はなく、今では陰謀論に逃げています。講談社が小保方の言い分を書いた本を出したこともありました(ブルーバックスを出す講談社がこんなレベルの低い本を出すのかという声も出ています)。そして陰謀論を支持する人が現在では小保方を非難する人よりも多くなってきつつあるということです。なんでも陰謀論というのは魅力的に映ることがあります。アポロ11号の月着陸は嘘だ、東日本大震災は人工地震だったとか。人はオカルトに引き込まれやすいのです。世界三大不正というのがあって、常温核融合、ES細胞、そしてSTAP細胞だそうです。
反オカルト論ではSTAP細胞事件をかなりの分量で取り上げていますが、かつて起きた交霊会に対する人々の反応とほとんど同じというのがなるほどと思いました。