ドナルド・キーン自伝を読了。自らの人生を振り返って、自分はまことに幸運だったと言っています。いろいろなターニングポイントがあったけれど、最後に日本文学に触れることができて誠に幸せであるということです。文化勲章も勲二等ももらっている人です。日本人以上に日本の美を理解してますね。かつては三島由紀夫、川端康成らが求めていた日本の美という観点を氏は継いでいると思います。
アマゾンをのぞいていたら村上春樹の初期の本が目についたのでゲット、スポーツグラフィック誌ナンバーに83年から連載していたものでTHE SCRAP懐かしの1980年代というものです。自分は英語はからきしだめな方なのですが、植草甚一も常盤新平も古本屋に積まれているニューヨーカーやエスカイァやピープルなどの雑誌を二束三文で買ってきて寝転がって読むということをよくエッセイに書いていますが、それってあーーいいなぁと思うのであります。村上春樹もそれが出来る人で、この本はそういう雑誌からヒントを得たエッセイ集です。83年と言えばまだ34歳で実に若いのですが、エッセイの文体は今とそう変わりません。
「ドナルド・キーン自伝」ドナルド・キーン 中公文庫