いやーこの本は面白い。迷惑な進化であります。人類史というか遺伝学というか、遺伝人類史というかとにかく人類も進化をしてきており、それは地域に固まっている集団に特有な遺伝形質があってその理由を示しているのです。その特有な遺伝形質は現代においては迷惑なものなのですが、それが他の遺伝形質に対して淘汰されて生き残ったという事実には理由があるということなのです。ヨーロッパ中世を席捲したペスト渦。人口の三分の一が死ぬという惨禍だったのに、薬も飲まずに生き残った人たちがいて今がある。それはなぜか。その生き残った人たちの遺伝形質が現代にも引き継がれていて、それは現代では迷惑な形質なのですが、中世では必要な形質だったということなのです。著者はこう言い換えます。40年後に死ぬとわかっている薬を今飲む理由は何か。それは明日生きていることを保障するからです。ちなみに、細菌感染時に飲む抗生物質は、鉄分の補給を一緒にしてはいけないそうです。鉄は最近の活動を活発にするのだそうです。ペストを生き抜いた人たちの遺伝形質はこの鉄に関するものです。
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