日本は情報戦に疎い国だと言われています。戦前の特別高等警察へのアレルギーからか、スパイ防止策への法整備が世界各国にくらべて劣っていると言われます。世界一のスパイ天国と揶揄されて久しいです。
太平洋戦争も米英との情報戦に負けたというのが本質の一つですし、情報戦略の弱さがひ弱な外交政策に結びついているとも言えます。しかし、その日本で唯一スパイ養成機関が存在していたことがありました。陸軍中野学校がそれで、当初はいわゆる潜り込み活動としてのスパイ養成を行っていましたが、末期は戦局不利打開としてゲリラ戦指揮という形に教育が変わりました。軍人でありながらその存在を公から隠して戦場に散らばっていった卒業生達の戦地での様子が当事者達からの取材を元に描かれています。
かのルパング島の小野田寛夫少尉もここの出身でした(この話を知っている人ももう少ないですね)。スパイというとどうしても暗いイメージになりますが、しかし防諜なしに国益を守ることは出来ないというのは現実だと思います。この本は昭和40年代に出版され、文庫版で再構成されてたものですが、中の証言にもすでに日本の情報戦への認識不足を憂う声もあって、学ばなければならないことだと思います。
「陸軍中野学校 終戦秘史 畠山清行著 保坂正康編」新潮文庫
太平洋戦争も米英との情報戦に負けたというのが本質の一つですし、情報戦略の弱さがひ弱な外交政策に結びついているとも言えます。しかし、その日本で唯一スパイ養成機関が存在していたことがありました。陸軍中野学校がそれで、当初はいわゆる潜り込み活動としてのスパイ養成を行っていましたが、末期は戦局不利打開としてゲリラ戦指揮という形に教育が変わりました。軍人でありながらその存在を公から隠して戦場に散らばっていった卒業生達の戦地での様子が当事者達からの取材を元に描かれています。
かのルパング島の小野田寛夫少尉もここの出身でした(この話を知っている人ももう少ないですね)。スパイというとどうしても暗いイメージになりますが、しかし防諜なしに国益を守ることは出来ないというのは現実だと思います。この本は昭和40年代に出版され、文庫版で再構成されてたものですが、中の証言にもすでに日本の情報戦への認識不足を憂う声もあって、学ばなければならないことだと思います。
「陸軍中野学校 終戦秘史 畠山清行著 保坂正康編」新潮文庫