一昨日実家へ行ったときは、母に特に変わったことはなかった。
物忘れのひどさは、もういつものことだけれど、自覚もしているし、
会話は全く普通にできて、母は普通の母に変わりないし、
私が風邪を引いていたときは、ちゃんと覚えていて毎日電話をくれたし。
けれども今日、母がいないところで父が話してくれたことは、
新たな心配の始まりか・・・という内容だった。
一昨日の夜中、いつまでもお手洗いから戻らぬ母を、
父が心配して見に行くと、母の姿はどこにもなかったのだそう。
家中探しても見つからず、
玄関をみると鍵もチェーンも開いていて、
外の階段の下に、母が裸足で座り込んでいたのだと。
「そんなところでいったいどうしたんだ?」と父が声をかけると母は、
「自分の家がどこにあるのかわからなくなったの」と言ったのだと・・・。
家の中に連れて戻り、お布団に寝かせると、
朝には家の記憶はちゃんと普通に戻っていたけれど、
昨日は半日体調が悪くて伏せっていたとか・・・。
今日は全く普通に戻っていて、
私と二人で、皮膚科に行ったり買い物をしたり、お料理を作ったり、
梅干し作りの相談をしたりした。
近くの公園へお散歩に行って、おしゃべりしながら一緒にゆっくり1キロ以上歩いた。
30年前、家を建てるときに、近くに公園ができることを知って嬉しかったことや、
大きくなった白樺の木の美しさや、気持ちの良い今日の公園の空気のことや・・・
いろんなおしゃべりを楽しくしながら、元気いっぱいだった。
だからそんなできごとが信じられないほどだった。
でも、夜中の記憶喪失と行動は、決して無視できはしない。
父も不安だろうなぁ・・・
安眠できなくなるのではないだろうか・・・
また私にも、毎日泊まり込む日々がやってくるのだろうか・・・
認知症の悪化なのか、
薬の副作用なのか、
一時的なものなのか、
始まり・・・なのか・・・
そうして、
久しぶりに計画し、とても楽しみにしている友人との夏の旅が、
ダメになってしまうのではと、
心配している自分に、
情けない思いとともに、私は気づいてしまう・・・・