平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

家売るオンナ 第2話~この提案はあなたが生き延びるための最強サバイバルプランです

2016年07月21日 | 職業ドラマ
 三軒家万智(北川景子)は20年引きこもりの息子・良樹(ビビる大木)に言う。
「このままではあなたは餓死します。
 この家に住み続けた場合、あなたの最大引きこもり期間は9年10ヶ月。
 その後は月11万円を自力で稼がないと生きていけません。
 それを回避するためには賃貸マンションをご両親に購入していただき、引きこもり大家となって生きていけるライフラインを整えるしかないのです。
 この提案はあなたが生き延びるための最強サバイバルプランです」

 正論ですね。
 庭野(工藤阿須加)のように〝引きこもりは悪いこと〟〝外に出して社会と関わりを持たせなくてはならない〟と言うのは、一方的な価値観の押しつけ。
 だから三軒家万智は庭野に言う。
「このご夫婦はわかっている。
 20年働いたことのない四十半ばの男を無理矢理外に出したって何も出来ないということを。
 つまらない常識や狭い価値観でものを言うな!」

 現在は生き方が多様化しているんですよね。
 昔なら〝会社に入って給料を稼いで家族をつくる〟というのが一般的だったのだが、そうでない生き方がどんどん出てきている。
〝他人と上手くコミュニケーションできない人〟〝お金を稼ぐ能力がない人〟もいる。
 そういう人たちにとって社会で生きていくことは、とても苦しくてハードだ。
 なぜなら社会は〝コミュニケーション能力のある人〟〝お金を稼げる人〟を優秀とするからだ。
 良樹もそうした社会に傷つき、ドロップアウトしてしまった。
 しかし、引きこもりの良樹にも生きる権利はあるし、生きていかなくてはならない。
 そんな良樹が生きていくためにはどうするか?
 答えは「ひとりでも生きていけるライフライン」を確保すること。

 この点で、三軒家万智はやさしいですね。
 しっかり良樹のことを理解し、彼がどうしたら幸せに生きていけるかを考えている。
 実際、彼は〝引きこもりのニート〟から〝引きこもりニートの大家さん〟に変わった。
 これだけでも大きな変化だ。
 そして後日談。 
 3年後、良樹はブログに書いた〝引きこもりニートの大家さんのサバイバル術〟が大ヒットして書籍化され、テレビの取材を受けるほどに。
 人生何があるかわからない。

「つまらない常識や狭い価値観でものを言うな!」
 社会というのは、つまらない常識や狭い価値観をどんどん押しつけて来る。
〝引きこもりニートの大家さん〟だって、ひとつの生き方なのに、「いや、違う」「そんなことズルい」「人は社会に出て苦労すべきだ」と否定してくる。
 安倍首相の<一億総活躍社会>だって、裏を返せば「日本人全員が働いて、国のGDPをあげろ。お国のために税金を納めろ」ってことだよなぁ。

 大切なのは人の多様性。
 人にはそれぞれに生き方があり、幸せがある。
 価値観が同じの画一的な社会は息苦しい。

 
コメント (2)
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