JAZZ & BAR em's(ジャズバーエムズ)

 銀座6丁目に2003年末オープンしたジャズバーです。
「大人のくつろぎ空間」をお探しの皆様にご案内申し上げます。

銀座的作法:お見送り

2007年11月21日 | 銀座

 エムズのあるビルのお向かいの1階に、
今年で43年目を迎えられた割烹があります。
とてもオーソドックス(この意味わかる?)な和食で、
北陸直送の食材をふんだんに使っています。

 時々そこの女将さんがお客様を見送っているのに出会います。
門口に立って、深々と頭を下げて、その方が角を曲がるまで
じっと見守っています。 ご近所の、あるクラブのママさんも、
同じことをしています。

 銀座で長いこと遊んでいる大先輩たちから聞いたお話:
「昔はね、クラブや高級料理屋だけじゃなくて、もっと
一般的なレストランでも、お菓子屋でも洋品屋でも、
必ず亭主も若い衆も表に出て、頭を下げて、最初の角を曲がるまで
見送ってくれたもんですよ。角までが長いと、寒いときなんか
悪くてね、振り返るとまた頭を下げてくれるし、一所懸命
ジェスチャーで『中に入って!』ってやるんだけどね。
ゼッタイ入らないんだ。

 私もなぜかそうします。見送るときには角を曲がるまで、
無事にお帰りになるように念じています。 自分が見送って
もらうときには、「寒いですからここで結構です」と言って、
その場で入ってもらうようにしています。 

 こういうことって、お作法として教わったというのではなく、
そもそもの最初に知り合った先輩達の習慣を
そのまま受け継いでいるんだな、と思います。

冬の空気

2007年11月20日 | 季節

 想定外の木枯らしのあとで、今日は穏やかな秋日和。
空気が透きとおって紅葉は深まり、落ち葉を照らす陽射しは
キラキラとして、あらためて冬を迎える気配がしていました。
 
 写真は“Autumn In 広尾”

 今夜の演奏は後藤雅広トリオ:
クラリネットの暖かい音色、千香さんのラグ・スタイルのピアノ、
真人さんの力強いベースが一体となって、いつもエムズの空間を
懐かしい雰囲気で満たしてくれます。


 季節モノ、みかんのカクテルには「青臭さを消すため(by五味)」に
オレンジを混ぜて使います。そういえば、自家製ポン酢を
作っている和食の板前さんも「一種類ではなくて、いろいろな酢
(穀物のも果物のも)をブレンドするのが、おいしさを深くする
コツでしょうか」と言っていました。
ナルホド。
 

As Time Goes By

2007年11月19日 | 生ジャズ


忘れないで
キスはキスだし 吐息は吐息
根本的なことは変わらない
永い時間が過ぎてもね

恋人同士がくっついているとき
「愛してる」って言うのも同じだし
ね?あなたもわかるでしょ?
未来がどう変わろうとも
こういうことってあんまり関係ないの

月の光も愛の歌も 時代遅れにならないし
人の心は情熱とか嫉妬とか憎しみとかで一杯だし・・・
女性は男性を求め、
男性は心を許す友を必要としている
誰でも知っていることよ

昔々のお話と同じ
愛と栄光のために命をかけて戦うことも
この世に恋人たちがたくさんいることも
世の中が移り変わっても 変わらないこと

 映画『カサブランカ』で「いつものヤツをやってくれ」といわれた
ピアニストが奏でる調べ・・・う~~ん、ちょっと哲学的。
あのときボガートが飲んでいた“いつものお酒”はなんだったかしら?

 今夜は森田潔(P)谷口雅彦(B)のペアで、渋く聴いて
ください。ちなみに森田さんはエムズではだいたい
バーボン党かな?





プレゼント

2007年11月19日 | エピソード

あるお若いカップルの場合:
 最初はこわごわという感じで周りのオトナのお客様たち(?)を
そっと観察しつつ、カウンターに座っていらっしゃいましたが・・・。 
少し緊張がほぐれてきた頃、ふたりでシャンパンを頼まれました。
で、彼女が席を外したときに、彼のほうが私に耳打ちなさるのです。
彼「あの、ボクジャズの曲ってよく知らないんですけど、彼女の誕生日が
近いので・・・。何かプレゼントとして歌ってほしいんですが・・・
私「かしこまりました。じゃあ、見繕いでよろしいですか?(寿司屋?)」
彼「お任せします。
 こんなとき、普段ならたぶん、若い方もCMで聴いたことがありそうな
曲とか、ディズニーのテーマとかを選ぶことが多いのですが、ふと
思いついて選んだ曲。
「それでは、○○さんのお誕生日に彼からのプレゼントです。
本当は花束を贈りたいところですが、今夜は私がお花の歌を歌わせて
いただきます。『今は深い雪の下に眠っている小さな種だけど、
春にはキレイなバラが咲く』ベット・ミドラー主演映画『The Rose』の
主題歌をお聴きください。」

 エムズでは意外とリクエストの多い曲であり、春を待つ冬の歌として
レパートリーに入れていることは、以前に書いたと思います。
映画の印象も強いのでしょうね。 花束代わりのお花の歌プレゼント、
オシャレでしょ?(自画自賛)
彼女はとっても感激してくださったようでした。
彼の株も上がったかな?きっとね。


オトナへの道

2007年11月17日 | 銀座

 あるバーにて。
バーテンダー「今日の口開けに、初めての若いカップルがみえたんです。
彼の誕生日祝いにということで、彼女のほうがネットで調べて、
わざわざ前もって下見して、うちを選んでくれまして。
とても喜んでいただけたようです。
私「それはステキね
B「そうなんです。帰り際のあいさつもとてもしっかりした人たちで、
『今日はほんとによくしていただいてありがとうございました。
とても楽しかったです』って。恐縮しちゃいました。
私「お若い人たちにそういうあいさつされるとウレシイよね
B「はい。ボクも感心して、『それでおいくつになられたんですか?』って
聞きましたら、『二十歳同士なんです』って。イヤ~~、若いなあ、
エライなあって・・・

 そういうバーテンダー氏も、実は若干25歳なのです。

 銀座は「オトナの街」と思われていますが、実際には若いスタッフも
お客様もたくさん存在しています。 ひとつ言えることは、
「大人志向」の人々の街、だということですね。 若いコミュニティーの
中で、自分たちに完全に理解できる価値観の共有だけを頼りに
つながっているよりも、知らない世界を見せてくれる先輩やプロが
いるところで過ごしてみようと思うかどうか・・・。
よく、「銀座のバーって大人しか無理ですよね?」と
いう質問がありますが、お答えは「もちろん大人の方、それから大人に
なりたい方もウェルカムですし、楽しんでいただけると思います。

余談:見かけや年齢が十分でも、中身が大人でない場合もあります。

 ちなみにこのバーは、業界では有名な老舗(開業67年目!)ですが、
独自のホームページは持っていません。 もちろん、口コミで、また
いろいろなグルメ・サイトやバー特集などで、数え切れないほど
紹介されてきていると思います。ただ、星の数ほどあるバーの中で、
さらに数ある「ステキなバー」の中で、ここを選び、ここで思い出に
残る時間を過ごした二十歳のカップルとの出会いは、やはり偶然であり、
もしかしたら必然であり、ご縁としか言いようがありません。

 そういうご縁の積み重ね、集合体が、「銀座=良い大人の世界」を
構成しているのだと思います。


イケナイ人々④

2007年11月15日 | たまには言わせて

 これは別に悪気があってのことではないのですが、
演奏中に楽しく「乗って」いるとき、音を立てる方がいます。
つまりご本人は、演奏のリズムに合わせて手拍子をしたり、
指を鳴らしたり、カウンターやテーブルを叩いているつもり。
 でも、以前にも書いたように、ほんとうにリズムに合って
いるかどうかは、とても微妙な問題で(話にならないときもある。
「手拍子はムズカシイのよ」参照)、
ズレていた場合、演奏者はたいへんやりにくいものです。
それに、楽しんでいらっしゃるのに水を差すように「やめて」とは
お願いしにくい。 私も毎回悩むのですが・・・
ただ、カウンターを叩く方には、勇気を出して「叩かないでください」と、
そっとお願いしています。というのは、叩く振動は
全部のカウンターに伝わり、そのリズムの乗り方でない人にとっては、
一番迷惑なことだからです。

リズム感は人によって違います。 音程が人によって違うように・・・。
 では、正しい音感・リズム感の人ならば、聴いている全員が
気持ちよくなれるかどうかというと、これもまた主観的・生理的な要素も
結構大きいものです。
 これを話し出すと、専門分野に入ってしまうので、これについては
いずれ別の機会に・・・。


 とにかく、「音を出す」ということは、ステージ側も、客席側も、
重大な責任があるということを、ご理解ください。

Nightingale Sang In Berkley Square

2007年11月15日 | 生ジャズ

君に出会ったその夜に
魔法の世界が出現したんだ
リッツでディナーをしている天使たちが見えたよ
バークリー・スクエアではナイチンゲールが啼いていた

ボクは正しいのか、間違っているのか・・
でも、真剣に誓って言えるよ
君が振り向いてニッコリしたそのときに
ナイチンゲールが啼いたんだ バークリー・スクエアで

月が ロンドンの街の上にかかっている
困った顔して なかなか去ろうとしない
だって彼にはわからないことなのさ
ボクたちが真剣に恋に落ちて
世界がひっくりかえってしまったことなんて

街の歩道には星がちりばめられていた
なんてロマンチックなできごとだったことか・・・
ボクたちがキスしておやすみを言ったとき
バークリー・スクエアでナイチンゲールが啼いたんだよ



You Must Believe In Spring

2007年11月13日 | 生ジャズ

寂しさがあなたの心を凍えさせるとき
「冬来たりなば春遠からじ」という言葉を思い出して?
深い雪の下にバラの蕾が密かに息づいている
だから春が来るのを信じて

木々も新しい芽が また現れることを知っている
今は一年の中で 空白の時期なのだと
凍った山も 四月になって雪の溶け出す流れが
どんなに透き通っているかを覚えている
だからあなたも 春が来るのを信じて

愛は必ずやって来ると信じて
眠れるバラの蕾が五月の口づけを待っているように
今は雪に覆われ さまざまなものが来ては去る
この世界の中で 確かなものなどないと思っていても
春は そして愛は 
必ずやって来ると信じていて

Smile

2007年11月13日 | 生ジャズ

笑って
心が痛むときにも
恋に破れてしまったときにも
空が灰色の雲に覆われていても
大丈夫 きっとやっていける

怖れや悲しみに負けないで
君がニッコリすれば ほら 
明日はまた明るい陽が差してくる

今にも涙がこぼれそうなときにも
明るい顔をして
悲しみの跡を隠して

泣いていたってしかたがない
今ががんばるときだよ
いつも明るい笑顔でいるように

そうすれば
人生はやっぱり捨てたもんじゃないって
きっとわかるよ


甘党

2007年11月13日 | エピソード


 実際に、コーヒーを飲みながら、嬉々として焼き菓子を
食べている新太郎さん。土井さんにも勧めています。
土井さんは例によってラムをロックで飲みつつ、普通に
お菓子を食べています。 3つ目を口に入れて新太郎さん
「う?」
それはフルーツケーキだったのです。

ホントにお酒の飲めない人は、お菓子に入っている微量の
アルコールにも、鋭く反応するのですね。

 察した土井さん、新太郎さんのかじりかけを
素早く奪ってそれも食べてしまいました。

たぶんあのケーキには、ラム酒が入っていたから
ちょうど良かったのでしょう。 でも・・・
ほんとうの甘党は土井さんかも。