
先日あるシャンソン歌手のリサイタルにお邪魔しました。
シャンソンについて、私は詳しくはないのですが、ジャズと同じで
スタンダードと呼ばれるものもたくさんあり、メロディーは知っているなあ、と
思う曲もいろいろあって、興味深く聴けました。 何よりも、その歌手の方が
ポップスやイタリア歌曲からも選曲をして、その題名や曲想からのインスピレーションで
自分で詞をつけて歌っていること。これが興味を引きました。
全編日本語だったので、日本語と曲がピッタリ合うと、そこにはまた違った快感があり、
素直に感心したしだいです。
オリジナルで曲も詞も書いて演奏するミュージシャン(J-ポップなど)も業界も
いろいろありますが、私自身はそちらの才能や興味はあまりありません。
それよりも、アメリカンスタンダードの中で、自分の持っている声や雰囲気や気分に
ピッタリ来るものを選んでそれを自分なりに表現する、ということが一番のテーマです。
何を(どの曲を)歌いたいか、ということは、自分の持っているものや
感じていることを、どう表現して聴いてもらいたいか、そして聴いた人が
心地良くなったりしんみりしたり、ときにははっとしたりを共有して、
それによって癒されてほしい、ということに尽きるのです。
その題材をどこに求めるか、ということはとても大切なことなので、
動機がないのに行動はできないのと同じように、「これを表現したい」という
欲求がない曲は歌えません。歌ってもあまり面白くないし、聴いてくださる方も
イマイチなんじゃないかな?と思っています。
