「フィレンツェのレストラン“カソーニ”の常連客、
カミーロ・ネグローニ伯爵が食前酒として好んだカクテル。
店のバーテンダー・フォスコ・スカルセリが伯爵に許可を得て、
1962年に発表。伯爵専用だったものが瞬く間に世間に広まった。
ベルモットの甘さがジンとカンパリのほろ苦さを和らげた、
男性的な辛口のカクテル。」
ドライ・ジンとカンパリと甘口のベルモットを1:1:1で
ロック・スタイルで作ります。 この間書いた『オールド・パル』と
兄弟分ですね。
深夜に、長い時間飲んだあとで、「シメにあれ作って」と
オーダーなさった大人の男性。
お連れの女性にも勧めて
「スタンダードなんだけど、ここんちの(五味さんの)これは
他のところより格段に美味しいんだよ」お連れの方も
「あら、ホント!スッキリしてますねえ」
五味「レシピどおりに作ると、もっと甘~いと思いますけど、
深夜ですし、少しサワヤカ目で作りました。」
一同「ナルホド」
スタンダード・カクテルも、「こうでなければいけない」という
ものではなく、基本のレシピを踏まえて、その時々の状況や
好みに応じてジンの種類を替えたり、ベルモットを少なくしたり
バーテンダーの感覚の見せ所、というわけです。
そういえば、『マティーニ』だってベルモットの量をどうするか
ということについては、飲む人の人数分だけレシピがある、と
言われているほどですもんね。
酔っ払っているくせに、ああだ、こうだ言いながら作ったり
飲んだりするのが、バーの醍醐味です。