
五味さんの証言:
「土井さん、入って来るなり、『今日はひとりか~、さびし~な~』
ですって

」
もちろん、ソロ録音のCDも出していらっしゃる『手練れ
(=腕利き)』ですが、やっぱりジャズのライブは、他の演奏者
とのコンビネーションを楽しむ部分も大きいし、音楽仲間と
語り合いながら時間を過ごす楽しみも大きいので、久々のひとりの
現場にちょっと別種の緊張があったとか。

それでも、いらしてくださったお客様たちは、真剣に聴き入って、
土井さんの紡ぎ出すスタンダードの佳曲の数々を、「堪能できた」
そうです。

語弊を恐れずいわせていただけば、土井さんの選曲には
いわゆる大きなラウンジで流れているような曲目はほとんどなくて、
いつもDUO以上でやっているもので、ソロでもイケそうなものが
メインでした。私自身も、バラードものをピアノと掛け合って
「語る」ということに、よりいっそう集中できた気がします。
楽器の数が増えれば、できるリズムのバリエーションは
多くなりますし、それぞれの「展開」のさせ方を、
それぞれが少し息を抜きながら楽しめる時間があります。
数が少なくなるということは、緊張の度合いが大きい、
できるバリエーションが限られてくる、一曲の時間が短くなる、

という問題点はありますが、音楽的には、その曲のその人の
イメージや表現の仕方を純粋に楽しめる、というところもあって、
「やっぱりたまにはいいかも」と密かに感じたしだいです。
もっとも、サックスなどのメロディー楽器と「サシで」と
いうわけにはいかないと思いますが・・・。(断られますって!)