JAZZ & BAR em's(ジャズバーエムズ)

 銀座6丁目に2003年末オープンしたジャズバーです。
「大人のくつろぎ空間」をお探しの皆様にご案内申し上げます。

ダブル・クラリネット

2005年11月30日 | 生ジャズ
 昨夜はクラリネット:後藤雅広さんのトリオのステージでした。
昔からのファンの方が、お友達の鈴木孝二さんご夫妻とみえました。
鈴木さんは長くシャープス&フラッツでアルトサックス奏者として
プレイされていた方ですが、昨夜はクラリネットで飛び入り演奏を
してくださいました。居合わせたお客様は「二本のクラリネットが
上になり下になり、まるで子猫がじゃれあっているみたいな感じで
とてもおもしろいものが聴けた」と喜んでいらっしゃいましたが、
ほんとにそんな感じです。後藤さん曰く「ラッパ系とだと“負けるもんか”
って、ちょっとケンカしている感じになるときもあるけど、(その刺激も
ジャズではまたよし)クラリネット同士っていろいろからめて、やってて
楽しいんですよね」歌手の場合も、よく歌えて音域の広い
人同士とか、高い声と低い声のふたりとかが即興でコーラスすると、
とても楽しいノリになります。管楽器も、楽器と演奏家の個性が、
それぞれ独特な音色を作り出しているので、それぞれを生かしたジョイントが
できると、数倍楽しいものですね。

イチゴ&ジン:続報

2005年11月30日 | バーカウンター
 判明しました!絞ったイチゴのジュースをジンに加えて
シェイクしたショート・カクテルは、いわゆる「フルーツ・マティーニ」の
ひとつだそうです。正統派マティーニは、ベルモットの量をどうするか、で
一冊の本が書けるほどに、愛好家の間では好みや薀蓄がおそらく一番たくさん
あるもの。いい加減酔っ払ってから、深夜にシメに(私はトドメと呼んでいる)
オーダーしたくなるものらしいですが・・・たぶん、最も「バーでカクテルを
飲んでいる」という実感が強いカクテルなのでしょうね。でも、その後の記憶を
失う人が一番多いカクテルでもあるようです。
 脱線しました。つまり、強さはジンの量が多ければ
どんどん強くなるのですが、ベルモットの変わりにフルーツ・ジュースを
加え、風味も良く、飲みやすくアレンジしたのがフルーツ・マティーニという
わけです。私も実はマティーニよりギムレット派なのですが、これなら
飲めてしまうかも。 もう一度言いますがおいしくて危険ですよ

イチゴ出ました!

2005年11月29日 | バーカウンター
 このところ昼間の風は爽やかに気持ちよくて、「インディアン・サマー」
なのですがこれが出てくると、「ああ、冬が来るんだな」と
思いますね。 シャンパンと合わせたものは「レオナール(フランス読みだとね)」、
昨夜五味さんが作っていた、ジンとのコンビネーションは何ていうんだろう?
 ついでにシャンパンのカクテル:+オレンジは「ミモザ」、+ブドウの
ジュースは「ティツィアーノ(こっちはイタリア読みだな)」です。詳しくはまた

有名な誤訳も勘違いもあります

2005年11月27日 | 生ジャズ
“You'd Be So Nice To Come Home To”
「帰ってくれたらうれしいわ」ヘレン・メリルの歌唱で
ジャズ・ボーカルを聴く人にはお馴染みのナンバーですが、
彼女のハスキーで物憂げな印象が強いために、まるで彼女が
恋人の帰りを待っているかのように聴く人が思ってしまった
のでしょうねでも、英語の意味としては、
「帰って行く家の暖炉のそばに君がいてくれたらうれしいな」というもの。
昨夜もリクエストがあり、歌う前にしゃべっていたら、洋さんと一郎さんは
すかさず「いないかもしれないもんね~」とブラックな
突っ込みをしてました・・・

 “Easy Living"
「気楽な暮らし」なんて訳されていることが多いのですが、歌詞の内容は
「私の人生のすべてはあなたを愛するというただひとつのことだけ、
とてもシンプル」という意味合いが強いのです。これまた前振りで
話したら、共演のベテラン・ミュージシャンたちが「えっ!
隠居生活の歌じゃないの?」なんという・・・でも、演奏でしか聴いた
ことがなければ、わかりませんよね

2周年のお知らせ

2005年11月25日 | Information
おかげさまでエムズは来週2周年を迎えます。
12/3(土)特別営業:パーティーです
¥3000会費制(飲み放題:ただし、ボトルや希少物は別途)
演奏は袴塚淳(P)ジャンボ小野(B)右近茂(Ts)トリオ、
他のミュージシャンの方々も遊びに来て下さるかも
土曜日だから出かけられる方、土曜日だからお出かけが難しい方、
いろいろあると思いますが、ぜひ、ご一緒にカンパイしてくださいませ。
一同、お待ち申し上げておりまする・・・

フランク・シナトラという名前の・・・

2005年11月22日 | バーカウンター
 カクテルをご存知ですか?彼の本名「フランシス・アルバート・シナトラ」
というのが正式な名称だそうで、中身は彼の大好きだったタンカレー・ジン
ワイルド・ターキー、混ぜても決しておいしいと思えないんだけど・・・。
五味さん曰くは「配合の妙で、うまくいくと紅茶のような味がしたりします。
時々オーダーがありますよ。」 
 昨夜彼がシメに作ってくれたのは「Between the Sheets」
ホテルのベッドみたいに2枚のシーツの間に入って・・・というアヤシイ名前の
スタンダード・カクテル。ブランデー、ラム、オレンジ・リキュールで。
五味さんはダーク・ラムを使ったのでちょっとサビの効いた甘みになりました。
これはおいしいですよ!

スーパー・コンセントレーション?

2005年11月20日 | 生ジャズ
 昨夜のエンディングは高浜さんとのデュエットで「Stars Fell On Alabama」
以前、リンク紹介文にも書いたことがありますが、軽快で愉快なスウィング・ピアノの
名手であり、北村英治、水森亜土両氏のレギュラーとしてもお忙しい高浜さんは
先ごろ自身のトリオ(酒井一郎(B)八城邦義(Dr))によるアルバムを発売
(『Good Season』山野楽器他)され、その中でも何曲も歌声を披露されています。
 彼と私の場合は、打ち合わせや練習をほとんどせず、キーとテンポを決めたらあとは
出たとこ勝負というか、その場のノリで歌ってしまう、というスタイル。譜面に書いたり
何度も練習すると、なぜかたいてい失敗しますね。本番の中で、お互いの気配だけで
フレージングからクレシェンド、デクレシェンドまでピッタリと決まるときの気持ちよさといったら!
これぞデュエットの醍醐味というヤツです。昨夜の出来はまさに最高、
終わった瞬間「あ~、今のまんまでレコーディングしたかったな!」
そんなときって、演奏している側も、客席も、ほんとに一体になっているんですよね。
きっとそのうち、エムズ発の生音を広く発信して皆様にお届けできるように
したいと思っています。

「進駐軍サウンド」(Nature Boys)Vol.5

2005年11月18日 | 生ジャズ
 良いジャズ・ミュージシャンの条件その1:演奏することで自分がとても楽しんでいる。
その2:共演者を楽しませている。 その3:オーディエンスも楽しませることができる。
その4:曲間のおしゃべりが面白い。 その5:駄洒落(オヤジ系ギャグ)が多い。 
条件、というよりも、私がこれまで観察した傾向、ということでしょうか。で、傾向に対して
対策がたてにくいのもひとつの傾向です。
 河辺、芦田、光井のお三方が昔話を始めると、もはや収集不能、演奏を聴いているのか、
座談会なのかわからなくなる恐れアリ。ころあいを見てピアノの小林洋さん
え~、先に進めてよろしいでしょうか?」河辺「あ~~、やってください。喜んで。
やっさん(芦田さん)、何やる?」芦田「え~~お手元の曲メニューの番号でリクエストしてください。
あっ、そうだ88番やろう!」影山(えっ?私の作ったリストには87番までしかないけどな
芦田「夕べどーしてもやりたくなって書いちゃった」何だ、そーか。「タイトルは『My Lover San』
です???意味不明だ。芦田「『私のロバさん』へっへっへ 
 こんな調子でステージは進み、客席も会話に巻き込んでホームパーティー状態で盛り上がる
フロント3人。後ろからベースの根市さん「ねえやっさん、『真珠の首飾り』やりましょうよ。
昔よくやったじゃない?」光井「ん?新宿で耳飾りがどうしたの?オレ昔五反田でさ~」
根市「首飾りだってば、グレン・ミラーの」芦田「そうそう、これは15,6人編成の音を3人で
なんとか出そうってんだからとにかく休む暇がないんだ。終わったときにゃあ息も絶え絶えで、
何人生きてるか・・・」そしてとにかく、ビッグバンドを彷彿とさせる“これぞ大御所!”のサウンドに
一同聴き惚れました光井「え~今のはスロー過ぎて大変やりにくかったです」
 とにかく笑いとスリルのてんこ盛り、とてもページが足りません。無事にステージが終わると、
洋さんは急いでビールとワインをごくごく飲み干すのでした・・・。私も。
そういえば、ボジョレー・ヌーボーの解禁日でしたね(ワインのイラストがないの)


一過性の五味・スペシャル

2005年11月12日 | バーカウンター
 前出のリクエストのお客様「スバラシイ!そうだ!五味さんに“影山”という
カクテルを作ってもらって一緒に飲みましょう!
そこで五味さんが調合したのは“、ブラックサンブーカ、ジン、レモンとソーダの
怪しい薄墨色の飲み物タイトルは“陰”なんだそうで・・・
ま、これはアドリブ・プレイのようなものですね。

 もともと五味さんは、オリジナル・カクテルをあまり作ろうとはしないタイプで、
最も苦手なことは「彼女に合うカクテルを」というありがちなオーダーと、
できあがったカクテルに歯の浮くような名前をつける作業だそうです。
その分とても個性的なアプローチで飲み物を作っていて、
たとえばエムズのフィズは、一般的なものとはかなり違います。かなり
おいしいと思います。
 カウンターでご注文の際には、「本日のお題」を出して、あなたと五味さんとの
感性の対話を楽しんでみてはいかがでしょう?

意外性の五十嵐さん

2005年11月12日 | 生ジャズ
 昨夜初めてみえたお客様が「ビリー・ジョエルの"NewYork State Of Mind"」を
リクエストされました。影山はもともとポップスを歌っていたこともあり、
たまには歌う曲ですが、演奏は五十嵐トリオ、う~ん、スタイルが違うかも・・
と思いつつ歌い始めるとこれがノリノリ、間奏の五十嵐さんのプレイはバリバリの
ロックバラード風「ビックリしましたあ!!」「へへっやるときゃやるでしょ
う~~ん、やっぱり恐るべし! ミュ-ジシャン、シンガーのなかには
ひとつのパターンにこだわる人も多いですが(それに向いた音色や声を
持っている場合もあり、不器用な場合もありますが)、いろいろなスタイルが
できれば、それだけ楽しみも広がりますよね。