
25日(土)『Twilight Special』河辺浩市トリオの宵

現場をご存知の方にはお馴染ですが、私たちの尊敬する大先輩
トロンボーンの河辺さんは、非常な知識人であり、なおかつ演奏の合間のお話が
群を抜いて面白いことでも有名です。

曲の解説や、オリジナルにまつわるエピソードもそうですが、関係のない昔話も
いろいろと飛び出します

河辺「東京大地震(=関東大震災)のときのことです。
ある若手俳優が吉原の女性に惚れ込んで、二人で駆け落ちを企てていた。
午後一時に待ち合わせをしたんだけれども、なんたって昼前に大地震が起きちゃった。
で、まてど暮らせど来ないから、しょうがないから関西のおじさんのところまで逃げて、
そんでもって、むりやり300円の(今なら何千万円?)お金を工面してもらって吉原へ
引き返してみたら、まあ焼け野原で、立て札が立っている。曰く『このたびの地震で
店を張ることは難しくなりましたので閉店、ついてはお女郎衆もみんな自由の身になって
国元へ帰りました』 さあ大変、彼女の地元は新潟だったてんでこれからまた新潟へ行って
手をついて「娘さんをください」って頼んだけれどもそれはならぬと言われて、
傷心の彼はまた東京に戻って・・・・・」
壮大な悲喜劇が延々と続くのですが、これはなんと、「アラカン」こと嵐寛壽郎の、
出世前の物語だったのです。 たまたま「鞍馬天狗」の話からね。

でもねえ、このごろ私自身がMCで、
「これはボブ・ホープという人の奥さんが実は歌手で、80歳を過ぎてからレコーディングした
アルバムの中に入っていて・・・」と言うような解説をしても、
ボブ・ホープがピンとこない方も多かったりして、難儀な状況もしばしば

かといって、大好きなスタンダードのレパートリーには、こういうエピソードはつきものです。
どーすりゃいいんだ


それはさておき、河辺トリオの次回『Twilight Special』は
10月20日(土)に決定いたしました

