桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2013・5・12

2013年05月13日 | Weblog
毎年母の日になるとお金に不自由している息子は悩む。お金があれば温泉に連れて行ったり、何処か美味い料理屋につれて行ったりすることも出来るのだろうけど、ここ数年はそんな余裕はないから、せめて母の好きな蟹でも買って行って一緒に食べようとと思ったりするが、例え三千円程度の蟹でも「お金がないのに無理しないでちょうだい」と蟹のお金を払いそうになったりするので、それも出来ない。だからと言って、普通に料理を作るとなると、いつも二日に一度は出向いて作っている料理とそんなに変わりはなく、特別感がない。と云う訳で今日の母の日は何をしようか迷った末に、最近大人数で食事する機会がなかったので作らないでいた「キャベツケーキ」にすることにした。これはキャベツの頭の上をくり抜いて、そこにコンビーフを缶から取り出したまま埋め込んで、大きな鍋で丸ごとコンソメスープで三時間位煮込んだだけの料理とはいえない料理で、煮込み終わったらそのまま大皿に移しかえて食卓におき、その場でナイフで切り分けて食べるのだ。その光景がまるでケーキを切るみたいなので、そんなネーミングにしたのだが、キャベツは芯の芯まで柔らかくなって食べられるし、スープはキャベツの甘み旨味が出て美味さこの上ない。午前中に電話した時、この日記を毎日読んで店の余り物が一杯あることを察した母に「特別なことはしないで。余り物で充分だから」と釘を差されていたので、他にとろけるチーズと温泉卵でリフォームしたペンネアラビアータや豚のしゃぶしゃぶと新タマネギとカイワレ大根のサラダを中華風に変身させた「店の余り物」も並べることは並べたが、実行予算400円(キャベツ+コンビーフの缶詰)程度の「キャベツケーキ」は少しは特別感もあって喜んで貰えたようだ。